2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23520588
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Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
小林 茂之 聖学院大学, 人文学部, 准教授 (00364836)
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Keywords | UK |
Research Abstract |
前年度より引き続き,動詞先頭語序構文(Verb-initialConstruction)を調査,分析した.アルフレッド大王訳による英語版ボエテイウスとべーオウルフの動詞先頭構文について韻律論と統語論とのインターフェイスの観点から分析し,'On Verb-Initial Constructions in Old English with Special Reference to Metrics'(「古英語の動詞先頭構文について―韻律論の観点から―」)(『聖学院大学論叢』25(1))を公刊した. また,2012年8/30-9/1にストックホルムで開催されたSocietas Lingustica Europuea 45TH Annual Meeting(ヨーロッパ言語学会第45回年次大会)に参加し,語序の通時的研究発表と統語論に関する一般的講演を聴くことができ,また統語論研究者と交流の機会を持った. 関連分野の発表には,Walken, George (University of Manchester) 'Object position and heavy NP shift'(8/30)や,Georgerfentis, Michalis (University of Athens) 'The Syntax-prosody interplay VS vs SV orders in unaccusative and unergative structures'や,Cinque, Gugbelurs (University of Venice) 'Cognition, Typological Generalization and Universal Grammar'などがあり,有益であった. また,9月にケンブリッジ大学・ヨーク大学を訪問し,予備的な研究・資料調査を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
古英語における語序に関して,韻律論的な分析を試み,部分的な成果を出すことができた. 研究の進展に並行して,現時点までに,ベーオウルフ,古英語版ボエシウス,ピータバラクロニクル(年代記),アルフリッチの語序に関するデータを蓄積してきている.研究過程で,小規模ながら古英語の語序に関するコーパスを構築しつつある. また,Early English Text Society(EETS)などの基本文献資料を整備するとともに,古英語の文献資料を大英図書館,ケンブリッジ大学などが所蔵する関連文献について,調査を進めることができた. また,海外の学会に参加し,通時統語論や歴史言語学の最近の研究動向を知ることができ,先行研究についての見直しの可能性についても検討している.
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Strategy for Future Research Activity |
古英語の文献資料の範囲を拡張して,データによる揺れを避けてデータの信頼性を高める.古英語版ベーダ『英国民教会史』,『オルシウス』などについて,調査を進める予定である. 資料調査と並行して,語序に関するコーパスの充実を図り,より広範囲の文献に関するデータを蓄積する. また,語序に関する最近の研究論文や学会発表,研究書などから,最近の研究動向についても知見を広げて,先行研究や今後の研究について検討する. また,文献資料の撮影が可能な場合,ケンブリッジ大学図書館などで資料の撮影を試み,翻刻された文献との照合を行い,資料調査上の問題点にも目を配りたい. 電子化データのフォームについても,先行研究を参考にして改善を図っていくとともに,既存の大規模コーパスの利用についても利用方法などを調査し,研究データとして分析し,結果に基づいて現在までの研究結果を検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)