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2011 Fiscal Year Research-status Report

文章展開機能を重視した日本語上級学習者の作文教育

Research Project

Project/Area Number 23520611
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

木戸 光子  筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20282288)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords作文 / 日本語学習者 / 文章構造
Research Abstract

本研究の目的は、文章展開機能による文章構造分析を応用して、上級日本語学習者のための作文教材を開発することである。文章展開機能とは文法的な言語形式の中で複数の文からなる段落、文章レベルでの意味のまとまりを担うものである。文章論の理論と分析方法に基づき、場面や文脈における文章展開機能を担う言語形式に着目し、日本語学習者および日本語母語話者の文章の構造分析を行う。その成果をもって上級学習者の大学での学術的活動のための作文教材を開発することを目的とした。初年度は以下の2つを行った。(1)文章データ収集と整理 収集した作文を文ごとにexcelでデータベース化した。大学で行った作文授業の受講者から承諾書を得たものについて、日本語上級学習者の作文データ100名分、文章表現の授業の日本人大学生の作文データ30名分の短作文とレポートを電子化した。(2) 分析項目の特定と文章展開機能の分析「日本語文型辞典」(グループジャマシイ編、くろしお出版)に基づいて文法的な言語形式を整理とリスト作成を行った。実際の作文データに出現した文型を特定し、作文ごとに文型使用状況を分析し集計した。 日本語母語話者である日本人大学生の作文データについて、意見中心のレポートと随筆の作文を分析した。その結果、同じ意味機能でも使用・未使用文型の傾向にばらつきがあること、文型使用の幅が各作文間で延べ使用数にかなりばらつきがあること、文型使用数がほぼ同数の作文でも使用する文型の種類が異なることがわかった。特に、個々の作文によって、述部の叙述表現の文末表現に多様な使用が見られるもの、助詞相当語と言われる複合辞の種類を豊富に使い分けるものなど、作文間の文型使用状況に多様性が見られる。本研究の結果から同じ文章ジャンルでも書き手による使用文型の頻度差や種類による多様性があることがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度に予定していた、作文のデータベース化は完成しつつある。さらに、分析項目の特定と文章展開機能の分析のための意味機能別文型リスト作成とそのリストによる作文分析も行うことができた。ただし、初年度途中で研究費3割減の可能性が通知されたために予算が確定するまで研究の進捗を一時止めた影響で、初年度に予定していた作文データベース完成と学習者へのインタビュー調査、作文教育の情報提供のためのホームページ開設は次年度にまわすことにした。作文データベース、インタビュー調査、ホームページ開設とも資料収集や調査協力者の承諾、ホームページ開設の準備は初年度に終わっている。

Strategy for Future Research Activity

作文データベースの完成、および作文データベースを用いて文章展開機能の分析を進める。さらに、学習者への作文学習についてのインタビュー調査も行う。以上の基礎研究を踏まえて、上級日本語学習者対象の作文教材の試作を行う。 なお、初年度途中で研究費3割減の可能性が通知されたため、初年度に予定していた作文データベース完成と学習者へのインタビュー調査、作文教育の情報提供のためのホームページ開設は次年度に行う。作文データベースは入力手順や入力フォームはすでに確定しており、収集した残りのデータを入力するのみにしている。インタビュー調査は作文授業でインタビュー調査協力の承諾書をすでに得ており、機材購入以外インタビュー実施の準備は終わっている。ホームページ開設はすでに作成して開設している自分の研究室のウェブサイトhttp://kidolab.jimdo.com/の一部にリンクさせる形で科研の研究に関するページを追加できるようにしている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

作文データベース完成のために、他機関が提供する作文データベースを使用して作文データを収集する。そのための資料使用料・購入費、データベース管理のためのコンピュータを購入する。また、学習者へのインタビュー調査のために、ビデオカメラと動画処理のためのコンピュータを購入する。 なお、初年度途中で研究費3割減の可能性が通知されたため、初年度に予定していた予算を次年度に一部まわしている。作文データベース完成のための人件費と追加データ使用料と作文データ集印刷費、学習者へのインタビュー調査のための機材、ホームページ開設のためのアプリケーション購入である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 上級作文における文章構造をパラフレーズする言語技術の重要性2011

    • Author(s)
      木戸光子
    • Organizer
      日本語教育世界大会(ICJLE2011)
    • Place of Presentation
      天津外国語大学(中国、天津)
    • Year and Date
      2011年8月21日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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