2013 Fiscal Year Annual Research Report
日本語教育プログラムにおけるエンパワメント評価の実践
Project/Area Number |
23520621
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
鎌田 倫子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (10334731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中河 和子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 非常勤講師 (00456401)
後藤 寛樹 富山大学, 留学生センター, 准教授 (30324031)
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Keywords | エンパワメント評価 / 理系小規模日本語プログラム / 教員・学生の当事者意識 / 教員・学生の民主的参画 / 教員・学生の民主的参画 / ミッションから学習達成目標の連続性 / 対話クラス / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
平成23年度より、研究代表者と研究分担者が所属する富山大学杉谷キャンパス日本語プログラムにおいて、エンパワメント評価を実践してきた。エンパワメント評価実践は、国内ではほぼ例がなく、また言語教育プログラムにおいては国際的にも珍しい。 23年度には、まず評価実践助走として、担当教員内にエンパワメント評価の原理の理解を深め、民主的な話し合いの土壌を作りながら、当該プログラムのミッションを策定した。その上で3年間の実践ゴールを、当該プログラムのミッションに適合し、かつ実効性を備えた「学習達成目標の設定」と「達成を見るための指標作り」とした。 24年度から、プログラム内容やクラス活動をミッションに照らし合わせ、改善していった。それにより、教員側に常勤・非常勤を超えたプログラムへの民主的参画と、主体的関わり・組織学習の強化など、エンパワメント評価の原理の一部の達成が観察された。 24年度後期から25年度にかけては、留学生側の当事者意識を醸成することでプログラムの画期的な改善を図った。まず、留学生に問題解決力・社会相互力をつける「対話活動クラス」の充実を図った。次に、学生やチューターからニーズ開示とコース評価を受け、当事者意識を触発することを目的としたフォーカス・グループ・インタビューを5回行った。それらの結果を活かし、数回の評価会議を経て、理系小規模日本語プログラムという特性を生かしたミッション・ゴール・学習達成目標を連続性・実効性のあるものとして設定した。更に、その指標の一端も示した。それにより、学習環境の不備や、学習権の保障のされなさ等の当該プログラムの持っていた欠点を特性と転化させるようなプログラム改善につながった。 実践研究を、日本語教育学会の学会誌『日本語教育学会』に実践報告として、『富山大学杉谷一般教育研究紀要』に原著論文として発表した。さらアメリカ評価学会で、ポスター発表をした。
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Research Products
(3 results)