2012 Fiscal Year Research-status Report
バイリンガルサポーターの支援における相互構築コミュニケーションに関する研究
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23520623
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
徳井 厚子 信州大学, 教育学部, 准教授 (40225751)
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Keywords | バイリンガルサポーター / コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究は、バイリンガルサポーターが地域や学校における支援でどのように言葉や心理面でのサポートを行い、周囲との関係を構築しているのかについてインタビュー調査をもとにコミュニケーションの観点から、明らかにしようとするものである。 H24年度は、国内における複数の都道府県において、国際交流団体、医療関係者、教育関係者を中心にバイリンガルサポーターおよび日本人コーワーカーへのインタビュー調査を行った。インタビュー結果について書き起こしを行い、分析し、国内外の複数の学会で発表した。 まず、「関係構築の橋渡し」としてのバイリンガルサポーターの役割という観点から以下を明らかにし海外の学会で発表を行った。1)バイリンガルサポーターは状況や相手に応じて複数の言語から適切な言語を選択し「わかりやすい言葉」で支援している。2)言語だけではなく文化の仲介もしている。3)状況に応じて当事者間の誤解や摩擦を解消するメディエータの役割を担っている。4)被支援者の「声なき声」に耳を傾けエンパワーしている。5)信頼関係を重視している。 また、複言語・複文化主義の立場から、バイリンガルサポーターのコミュニケーションとアイデンティティについてポジショニング(位置づけ)という観点から分析し、バイリンガルサポーターが多様な位置づけを行っていること、及び複層的、流動的なアイデンティティを持っていることを明らかにし、国内で学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に引き続き、複数の都道府県において、国際交流団体、医療、教育関係者を中心にバイリンガルサポーターおよび日本人コーワーカーへのインタビューを実施した。インタビューを分析し、複言語・複文化主義の先行研究をもとにバイリンガルサポーターの役割を明らかにし、その成果を海外および国内の学会において発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
I国内におけるバイリンガルサポーターへのインタビュー調査を継続して行い、分析、考察を進める。 2複言語・複文化主義を中心に参考文献の収集を行い、考察を進める。 3国内外での学会発表、論文発表を行う。 4最終報告書を作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内における旅費が当初の予定額よりも安価にすんだため、次年度に繰り越した。 なお、繰り越した分及びH25年度に請求した研究費については次のように使用する。 まず、バイリンガルサポーターおよびコーワーカーへのインタビュー調査のため、旅費、インタビュー謝金を使用する。インタビューの調査データの書き起こしを行うため、書き起こし代を使用する。参考文献の収集のため、図書購入費を使用する。また、海外の学会参加(8月にカナダのトロント大学で開催予定の学会で、バイリンガルサポーターの言語使用について発表予定である)および国内での学会参加のため、旅費を使用する。最終報告書の印刷および郵送のため、印刷費及び郵送費を使用する。
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