2011 Fiscal Year Research-status Report
第二言語の創造的発話産出に関わる心理言語的要因の研究
Project/Area Number |
23520630
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
稲葉 みどり 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50273298)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 第一言語習得 / 第二言語習得 / 言語発達 / Frog Story / ナラティブ / CHILDES / CLAN / 物語文 |
Research Abstract |
本研究は、第二言語としての日本語の創造的発話産出に関わる心理言語的要因を分析し、中間言語がどのような心的メカニズムにより産出(アウトプット)されるかを解明することを目的としている。中心課題は、1)母語の関与、2)目標言語(学ぼうとする第二言語)の関与、学習者が限られた第二言語知識を駆使して言語を産出する際の3)産出のストラテジ-、4)個人に関わる要因、5)複合要因を分析し、中間言語産出モデルを提示することである。言語資料はコーパス化し、公開することを目指して整備している。今年度は言語資料を追加収集し、データベース拡充した。また、コーパス作成に向けて、データ入力→フォ-マット化(コーパス対応形式に変換)やコーディング(検索・計算を可能にする記号付与)作業を中心に進めた。この作業はかなり進み、来年度は解析プログラムが稼働するかどうかを実験できる段階に入った。 第一言語習得、第二言語習得に関する理論研究も行い、解析プログラムで分析する内容の精査をしている。言語習得、言語学習、心理言語学、学習心理的な測面からの研究として、学習者の外国語学習のストラテジー研究や外国語学習のビリーフ、学習者と教師の学習観、教授観などに関する研究も行った。これらは、研究目標の3)言語産出のストラテジー、4)個人に関わる要因の研究に位置づけられる。今後はさらにこれらの分野の研究も進めると同時に、5)複合要因等にも目を向けた分析を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標であるデータベースの作成と整備がぼほ完成し、データ公開に向けての点検の段階に入っている。データベースを稼働して行う分析研究が今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
言語資料のさらなる収集とデータベース化を継続する。また、データの寄贈先である米国大学へ出張してコーパスの研究をする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データの寄贈先(米国カーネギメロン大学)へ出向き、データベースの試運転、公開に向けての点検や整備をして、コーパスを完成させる予定である。また、データ解析の方法等を研究する予定である。(今年度予定してた海外出張は諸般の事情から時間的な余裕がありませんでした。次年度に延ばすために予算を繰り越します)
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Research Products
(6 results)