2014 Fiscal Year Annual Research Report
短期型留学プログラムにおける修了研究の教育的意義と有効性
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23520631
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 眞理子 京都大学, 国際交流推進機構, 教授 (30230080)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 日研生 / 修了研究 / 日研生カリキュラム / 日本語のアカデミックスキル習得 / 研究スキル習得 / 教育効果 / 学術語彙・論述表現 / 国費留学制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は概していえば、1) コースガイド分析、2) 修了時日研生に対する全国アンケート調査、3) 修了時日研生及び担当教員に対する聞き取り調査、4) 三段階から成る日研生に対する4大学合同日本語アカデミックスキル習得測定テストから構成されている。 1) のコースガイド分析では日研生を受け入れている大学の71.43%において何らかの研究課題が設定されていること、そのうち62.50%が修了要件となっていること、課題研究を取り入れたカリキュラムでは、その課題を遂行する上で必要とされるアカデミック・スキル及び研究スキル養成を目的とした授業科目が平均的に4.13科目開講され、カリキュラムの重要な一部となっていることが明らかになった(2011年現在)。 2)及び3)を通して、83.08%の日研生は1年間の研修の一環として研究論文作成が必要であると認識し、その上、他の短期型プロングラムとの区別化の最大の要素として捉えていることが分かった。更に、修了研究の遂行を通して日本語での研究方法・論文の書き方の習得はもとより、日本社会・日本語学等の特定分野の理解の深化、分析・考察・体系化といった研究能力の習得、文章表現能力・長文作成能力・プレゼンテーション能力といった日本語能力の習得ができたことも窺われた。日本というフィールドを生かすことにより、研究資料に直接アクセスでき、その上、方言の多様性といった研究対象の詳細な把握・新たな発見が可能になり、日本人と直接触れ合い親交を深めつつ、日本の思想・文化に対する理解を深めることができたことも示された。 4) の分析・まとめを中心に本年度の研究を行ったが、学術語彙・論述表現の産出、接続詞の使用を通した文章の構成・論の展開方法、論拠方法並びに文体の使用において、1年間の学習を通した量的または質的向上は見られるものの、課題も多く残されていることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)