• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

ジェンダーの視点から日本語教科書を再考する:社会変化を反映した教科書開発

Research Project

Project/Area Number 23520642
Research InstitutionThe University of Kitakyushu

Principal Investigator

水本 光美  北九州市立大学, 基盤教育センターひびきの分室, 教授 (80326462)

Keywords日本語教科書 / ジェンダー / 女ことば / 選別役割 / 日本女性像 / 教材検証 / 教材開発
Research Abstract

研究2年目は、データ収集に関して対象を変更したため、収集をやり直したこと、また、国外のデータ収集が期待通りの内容ではなかった等の点でデータ収集がやや遅れているが、その他の項目に関しては、ほぼ順調に進んでいる。
1. 実社会における「女性文末詞」使用に関する自然会話データ補強:50代データ収集のための協力者数に限度があったため、実際に教科書作成に重要な資料となる20代、30代の若い世代の女性のデータ補強に今年度は切り替えた。その結果、20代は目的数の90%の収集が達成出来た。30代に関しては、目的数の30%程度の収集にとどまったが、次年度前半までに、目的数達成の見込み。 2. 国内外教科書で使用されている「女性文末詞」の調査:(1)国内の教材2種を追加調査した。(2)韓国の教科書の収集を実施したが、取り寄せたものが内容的に調査対象にならない等の理由のため、次年度前半に韓国に行きデータ対象となり得る資料を収集する予定。 3. 日本語教師に対するアンケート調査結果の分析:国内外180名の調査結果の分析終了。 4. 社会学的データ収集と分析、および国内教科書に描写される日本女性像の調査結果の分析と両者の比較分析:平成23年度および24年度の国家レベルの調査結果発表(複数)を資料とし、日本語教科書と比較分析した。「家庭内の女性」「仕事場での女性」「日本女性の仕事」「日本の家族像」に関して、教科書に描写される女性像・家族像が、ほぼ30年から40年前の状況に止まっていることを、日本社会における実データと比較して証明出来た。 5. 国内外の学会での研究発表と論文執筆:国際シンポジウム・日本国内の学会での発表、計2件、国際学会での論文集での論文発表1件、大学紀要論文発表2件など、合計5件。予定以上に実施できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

1. データ収集:以下の理由で一部遅れている。
(1)自然会話データ補強を当初の対象であった50代から20代と30代に変更したため、データ数が増え、今年度ですべてのデータを補強することが出来なかった。(2)韓国の教科書の資料収集が内容的に充分ではなかったため、目的数の収集を完成することが出来なかった。(3)そのため、(1)と(2)の統計・分析および双方の比較分析は、次年度前半までのデータ収集を待って実施することになった。 2. アンケート調査:予定通り分析を終了し、成果を発表することができた。 3. 社会学的データによる比較分析:当初の計画の日本女性の「言動」および「場面設定」に関する比較分析が未完。 4. 国内外の学会での研究発表と論文発表:予定以上に実施出来た。
以上の理由により、データ収集が期待通り進行していないために、比較分析研究が計画通りに進まなかった点において、研究が全体的に「やや遅れている」と自己評価した。

Strategy for Future Research Activity

1. 一部遅れたデータ収集を完成させる。
2. 教科書のデータ分析結果と実社会の実情データの比較分析をする:教科書に描かれる日本女性の「言動」および「場面設定」が実情を反映しているかどうか、反映していない場合は、どのような点において改変が必要であるか。
3. 自然会話における若い世代の女性の文末表現の分析:女性文末詞を使用しない表現がどのような傾向があるか分析する。
4. 教材モデルの作成:(1)主要な家族像、女性像(家庭と仕事場)、それを取り巻く環境設定などに関して、現在の社会を反映する描写・提示法に関して提案をする(2)(1)に即した教科書案(1,2章)を作成(3)(2)の実証実験の実施。
4. 研究成果の発表

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

<次年度に使用する予定の研究費>
1. 今年度データ収集が期待通りできなかったため、集計、テープ起こしなどの研究補助費、およびデータ収集協力者への謝金が少額であった。次年度に予定通りデータ収集完成した後は、研究補助の人件費および謝金として使用する予定。
2. 予定していた研究協力者(海外の専門知識および情報提供)のうち1名が今年度休業したため、期待通り協力を得ることができなかった。他1名は、資料収集に期待通り協力できなかったため、謝金が生じなかった。次年度、新たな協力者を選定し、謝金を使用する予定。
<翌年度以降に請求する研究費と会わせた使用計画>
1. データ・資料収集のための旅費(国内外)2. 資料収集費用 3. 研究補助の人件費 4. 研究協力者への謝金 5. 研究補助が使用する機器類購入費 など。

  • Research Products

    (5 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 日本語教科書における女性の職業: 教科書分析と日本語教師の意識調査分析2013

    • Author(s)
      水本光美
    • Journal Title

      『基盤教育センター紀要』

      Volume: 第16号 Pages: pp.19-44

  • [Journal Article] 日本語教科書におけるジェンダー: 女性文末詞の使用と日本人女性の描写2012

    • Author(s)
      水本光美
    • Journal Title

      『ヨーロッパ日本語教育』

      Volume: 第16号 Pages: pp.131-135

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 日本語教科書における日本女性像: 家庭内の女性と仕事場の女性のステレオタイプ2012

    • Author(s)
      水本光美
    • Journal Title

      『基盤教育センター紀要』

      Volume: 第12号 Pages: pp.1-20

  • [Presentation] 日本語教科書におけるジェンダーを考える: 女性文末詞と日本女性像

    • Author(s)
      水本光美
    • Organizer
      九州OPI研究会
    • Place of Presentation
      九州大学 西新プラザ
  • [Presentation] 日本語教科書におけるジェンダー: 教科書の日本女性像は現代社会の実態を伝えているか?

    • Author(s)
      水本光美
    • Organizer
      The 5th Ukraine International Conference
    • Place of Presentation
      Teras Shievchienko National University of Kyiv, Ukraine

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi