2011 Fiscal Year Research-status Report
韓国人日本語学習者のための読解能力尺度開発に関する基礎的研究
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23520651
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Research Institution | Tokoha Gakuen University |
Principal Investigator |
谷 誠司 常葉学園大学, 外国語学部, 准教授 (80514827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水口 里香 お茶の水女子大学, 学内共同利用施設等, 講師 (40549383)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 韓国人日本語学習者 / CEFR / 読解能力尺度 / 自己評価 / 漢字テスト |
Research Abstract |
当該年度は「韓国人日本語学習者へのCEFR読解尺度の適用可能性の検証」を目的として、次のような研究を行った。1.韓国人日本語学習者にCEFR読解能力尺度の能力記述文を自己評価させ、その結果からCEFRが想定した能力記述文の順序性が見られるかを明らかにする。2.韓国人日本語学習者の日本語能力テスト(例:JLPT)の結果と自己評価の関係を明らかにする。3.漢字テストの結果と自己評価の関係を明らかにする。1.・2.に関しては、既に韓国内でのデータ収集を行い、現在データ分析中であり、来年度にはその結果を公表する予定である。3.に関しては、韓国人日本語学習者のための漢字テストがまだ開発されていないことから、日本語教育における漢字テストの取り組みと英語教育での語彙テストの取り組みについて調査研究を行った。その成果として「韓国人日本語学習者のための漢字テスト開発に関する基礎的研究」と「韓国人日本語学習者用漢字テスト開発のための語彙テストに関する基礎的研究」を発表した。前者の研究では漢字から見た韓国人学習者の特徴について漢字処理と漢字(漢文)教育から述べた後、漢字テストについて先行研究における構成概念の定義の整理、そして本研究における構成概念の定義を行った。後者の研究では英語教育の分野での語彙知識を記述する枠組み、語彙テストの分類方法、語彙テストの紹介をした。このような基礎的な研究を踏まえ、(1)・(2)の調査研究時には韓国人日本語学習者用漢字テストを実施することができ、学習者の自己評価と漢字の関係が今後の分析で明らかにすることができると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
韓国人日本語学習者への自己評価調査を実施し、当該年度の目標である「韓国人日本語学習者へのCEFR読解尺度の適用可能性の検証」を行うためのデータ収集はできているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は「CEFR読解尺度の記述内容の明確化と現地化(localization)の試み」を目標にして研究を進める予定である。具体的には日本で開発された読解Can do statementsとCEFR読解尺度の能力記述文を分析し、学習者・教師を対象に能力記述文の分かりにくいところを調査し、記述内容を明確にする枠組みを構築する。また韓国で研究グループを組織し、構築した枠組みを使用して、韓国の日本語学習環境・日本語使用環境・特性を考慮した現地化した読解能力尺度の開発をめざす。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学習者・教師を対象にした調査費ならびに韓国で組織する研究グループとの会議、それに伴う旅費や謝金が必要になる。
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Research Products
(5 results)