2013 Fiscal Year Annual Research Report
韓国人日本語学習者のための読解能力尺度開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
23520651
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
谷 誠司 常葉大学, 外国語学部, 准教授 (80514827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水口 里香 お茶の水女子大学, 学内共同利用施設等, 講師 (40549383)
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Keywords | 日本語教育 / 韓国人日本語学習者 / CEFR / 読解能力尺度 |
Research Abstract |
当初の計画では本年度は前年度に開発した「明確化・現地化した能力尺度」の検証を行う予定であった。しかし、前年度の段階で拙速に能力尺度の明確化・現地化を進めるよりCEFR読解尺度の能力記述文(以下、CDS)のわかりやすさに関する調査を実施し、データ収集・分析をするほうがよいと判断し、計画を変更した。 そのため、本年度では次のような調査・研究を行った:1)韓国人日本語教師を対象にCEFR読解尺度(CEFR-DIALANG)のCDSの難易度と分かりやすさに関する本調査、2)日本人日本語教師と韓国人日本語教師のチームで韓国人日本語学習者の学習環境や特性を考慮した韓国人日本語学習者用の読解尺度の開発。 研究成果としては、1)に関しては「CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)読解尺度の韓国人日本語学習者への適用可能性に関する調査研究 ―能力記述文(CDS)の困難度と分かりやすさを中心に」というタイトルで発表した。この研究により、韓国人日本語学習者が分かりにくいと感じる能力記述文の特徴が明らかになった。具体的には次の3点が挙げられる:a)CEFR読解尺度のCDSの記述に対しては全般的に分かりやすいと感じている。b)文章が1文で条件や補足説目の修飾部が長いと、分かりにくくなる。c)具体的な範囲やレベルの解釈に幅がある表現があると、分かりにくくなる。韓国人日本語教師を対象にした調査結果については、すでにデータ分析は終わっているが、成果を発表するまでには至っていない。2)については、これまでの研究結果を踏まえ、韓国人日本語学習者用の読解尺度の開発を行い、現在、専門家によるフィードバックを受けている。フィードバックに基づいて、修正を図り、できるだけ早い時期に成果の公表を行う予定である。
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Research Products
(4 results)