2011 Fiscal Year Research-status Report
プレ・アカデミック英語コーパスの構築と「学習英語」の有用動詞コロケーションの特定
Project/Area Number |
23520655
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高見 敏子 北海道大学, 大学院メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (60333639)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | プレ・アカデミック英語 / コーパス / 動詞 / コロケーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、大学で求められている学術英語と高校英語との乖離を狭めるため、英語圏の中等教育の英語を「プレ・アカデミック英語」と位置づけて英語圏の小学校高学年~高校生用の教材(印刷物・ビデオ)から学習英語の書き言葉と話し言葉のコーパスを構築し、その特徴を分析して学術英語の前段階の「英語で学ぶための英語」の指導に役立つ知見を得ることと、英文を書く際に重要な要素となる動詞について特に有用と思われるコロケーションを特定し、その学習を支援する教材を作成することである。初年度である平成23年度は「プレ・アカデミック英語」コーパスの構築開始とその整備が主たる課題であり、小学校高学年レベルの科学ビデオ教材(対話形式)[約7万語]、中学校レベルの科学ビデオ教材(ナレーション形式)[約17万語]、小学校レベルの科学コミック教材[約4.5万語]、小学校高学年~中学校レベルの科学教材[約45万語]、中学校レベルの科学の教科書[約31万語]・世界地理の教科書[約10万語]・米国史の教科書[約12万語]の、合計約126万語の「プレ・アカデミック英語」をテキスト化することができた。テキストの細かい修正作業は継続中であるが、試験的に行った語形によるbigramの検索結果から、学習英語の特徴的な表現と思われる句動詞や「動詞+前置詞」の連語を少なからず見出すことができた。しかもそれらは基本的な単語だけで成り立っていて、知っていれば便利な表現であるのに、従来の英語教育ではほとんど取り上げられてこなかった表現である。この結果は本研究の目的にかなうコーパスが構築できていることを示している。さらに詳細な検討は次年度以降になるが、ビデオと印刷物というメディアによる違い、科学・地理・歴史という分野による違い、地学・生物・物理化学という科学の下位分類による違いなどもコロケーションの頻度データで示すことができそうである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ビデオ教材・印刷教材とも複数の教材のテキスト化が進み、各教材で頻度の高いコロケーションが調べられるようになっており、ほぼ交付申請書に記載した計画のとおり順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
コーパス化する対象教材の選定を早めに行い、作業補助を年度当初から確保して引き続き作業が計画どおりに進められるようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
繰り越しとなる次年度使用額は無く、当初の計画に沿って使用する予定である。
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