2011 Fiscal Year Research-status Report
MRIとNIRSの連携による英語学習者の語彙処理と文処理に関する研究
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23520660
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
上田 由紀子 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (90447194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内堀 朝子 日本大学, 生産工学部, 准教授 (70366566)
中村 和浩 秋田県立脳血管研究センター(研究局), その他部局等, 研究員 (10312638)
橋本 洋輔 国際教養大学, 公私立大学の部局等, 講師 (30568770)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | fMRI / fNIRS / 文処理 / 語彙処理 |
Research Abstract |
本研究は,21-23年度基盤研究(c)「MRIとの連携による光脳機能測定による日本語および外国語としての英語の文処理に関する研究」(研究代表者:内堀朝子)における知見と反省点に基づき,fMRI(3T)を用いて,「文の組み立て作業に関与しない単語タスク」と「文の組み立て作業に関与する文処理タスク」での脳活動の共通点と相違点を明らかし,「文組み立て(統語処理)」に関わる脳の活動部位の同定を英語学習者に対して行うことを目的とする。 23年度は,本課題研究の初年度にあたり,以下の3点を実施した。(1)被験者の確保および予備実験(2)実験施設・設備の整備,(3)実験デザインとタスクの洗練。特に,(2)に関しては,fMRI施設・操作担当の中村を中心に,被験者からの反応時間の測定性能を高めるために,被験者用スイッチの改良を行った。予備実験を重ね,新しいスイッチシステムが上手く機能することも確認できた。(3)のタスクデザインに関しては,代表者上田と分担者内堀が主に言語理論の知見から,心理実験・脳実験の立場から,分担者橋本が,画像処理・解析方法については中村が担当し、議論を行った。語彙の選択等に関しては、英語教育の視点からの助言を求めるはすであったが、そこまでは至っていない。また,fNIRSに関し,これまでの代表者らの実験では,全く同じタスクを使用したが,2つの脳機能測定法の機能的長所短所を生かした異なる実験タスクを使用することが妥当なのではないかとの結論に至った。また,解析方法の妥当性も慎重に検討する必要があることが,本年度の予備実験よりわかり,来年度の本実験に向けて現在も検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
タスクデザインにやや時間がかかっているため,全体としてやや遅れているが,スイッチを始めとする実験装置に関しては,予定通りの改良を終え,予備実験も行い充分な機能確認も済んでいる。実験デザインと確認が済み次第,づぐにも本実験に入ることができる状態である。来年度中には,取り戻せる範囲内の遅れであると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度、fMRIチームは,前半に,遅れていたタスクの洗練を完了させ,本実験を開始する。後半は,引き続き,本実験を行いながら,1月までに本実験を終了させる。実験が終わり次第、解析へ入る。fNRSチームとは,連絡を密接に取り,fNRISとの実験の擦り合わせを行う。 25年度、fMRIチームは,前半は,主に解析作業と分析をすすめ,追加実験の必要がある場合は、後半に追加実験を行う。fNRSチームは,25年後半に主な実験を行う予定である。25年度末には,fMRIおよびfNIRSのそれぞれの実験結果を検討し,3年間の実験の総括を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
fMRIチームは,24年度前半に,遅れていたタスクの洗練を完了させ,本実験へ入る(謝金・物品)。24年度後半は,実験施設の工事に伴い,1月までに本実験を終了させる必要があるため,遅れを取り戻す予定である(謝金・物品)。24年5月と8月には,fMRIチームの実験の成果をそれぞれ国内と海外の国際学会で発表予定である(旅費・その他)。fNRSチームと前半に2回ほど,ミーティングを秋田大および日大で行い(旅費・その他),fNRISとの実験の擦り合わせを行う。分担者内堀は,fNIRSチーム内での実験計画を学生アルバイトなどとも相談検討しながら,来年度に行う実験の準備と施設および装置の準備を行う(謝金)。決定ではないが,fMRIの実験施設へ使用量を支払うことになる可能性出てくる可能性がある(その他)。また、英語学習者の英語力の根拠となる英語力判断試験の結果を持っていない被験者には,ふさわしい判断のできる試験の受験をさせる(その他)。
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