2013 Fiscal Year Annual Research Report
英語コミュニケーションにおける言語・身体・情動・方略の総合的研究
Project/Area Number |
23520669
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
泉 恵美子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (10388382)
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Keywords | コミュニケーション方略 / ジェスチャー / 情動 / 言語習得 |
Research Abstract |
日本人英語学習者が口頭でコミュニケーションを行う際、語彙が出てこない、うまく文章を組み立てられない、何と表現すればよいかわからないなど、多くの困難や挫折を伴う。また流暢に話せないことが多い。そのような場合、ジェスチャーや聞き返しといったコミュニケーションストラテジーを用いて、修復したり補完したりするといった特徴が見られる。 本研究においては、英語を用いた異文化コミュニケーションにおける挫折や故障の現象やメカニズムに注目し、会話をビデオ、ICレコーダーを用いて録画・録音したものをデータに、言語・身体の動き(ジェスチャーや視線など)の分析と質問紙法による情意の分析を行うことにより、個人の言語能力・情動・身体・方略の関係を考察し、日本人英語学習者がコミュニケーション能力を育成し、自信を持って外国人とコミュニケーションできるように指導し、評価するシステムを開発することを目的とした。 最終年度は日本人英語学習者のL1とL2会話に見られるジェスチャー、ストラテジーと情動の関係について調査すべく実験を行った。内容は、日本人大学生を対象に、これまでで最も記憶に残っている出来事について、ペアで会話を行わせたが、その際、日本語と英語、またジェスチャーの有る場合と禁止された場合で会話がどのように異なるのかを比較した(カウンターバランスを取りながら4回会話を行った)。会話は、録音・録画したものを書き起こし、どのようなストラテジー、ジュスチャー、情動が見られるのかを分析した。また、事後にペアでの会話についてリフレクションを書かせると共に、質問紙を用いて日本語と英語の会話の違い、ジェスチャーの有無や役割についても尋ねた。 その結果、日本人英語学習者の日本語の干渉による特徴、能力や男女による差、ジェスチャーの多角的な機能が見られた。またジェスチャーの使用と言語発達には興味深い関係があることも分かった。
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Research Products
(9 results)