2011 Fiscal Year Research-status Report
第二言語の発達過程および処理可能性による中国語の文法項目導入順序の基準構築
Project/Area Number |
23520683
|
Research Institution | Kushiro Public University of Economics |
Principal Investigator |
鈴木 慶夏 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (80404797)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 中国語 / 中間言語 / 第二言語習得 / 習得順序 / 習得序列 / 処理可能性 / 文法項目導入順序 |
Research Abstract |
第二言語としての中国語教育において、「どのような文法項目をどのような順序で導入すべきか」を実地に検討することを目的に、本研究課題遂行者がこれまで行ってきた研究を、さらに推進した。 今年度は、学習者の中間言語にみられる文法体系の構築過程・再構築過程の一端を明らかにするために、新たな調査を行い、学習者が産出した中間言語における「場所をあらわす前置詞句」の統語構造と統語配置について経時的観察を整序した。そして、この観察結果をもとに、「学習者の文法処理およびその発達段階」「中国語前置詞句の類型論的特徴」「当該の文法項目をめぐる現行の教授順序およびその課題」という観点から考察を加え、複数の学会・研究会にて口頭発表を実施し、参加者からのコメントや問題提起などを再考しつつ研究内容を発展させ、『中国語教育』第10号に論文として発表した。 これにより、学習者の中間言語における前置詞句の統語問題およびその言語形式の産出理由について、従来とは異なる知見を調査結果とともに提示し、言語横断的な認知上の理由と個別言語としての中国語に特徴的な理由から説明を与えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初あつかう予定であった言語項目("把"構文)とは異なる項目(場所をあらわす前置詞句が生起する構文)について、意義ある調査結果および考察が得られた。当初の予定しなかった現象をあつかえたことは、今後の研究上の進展にとって有益である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究結果から、日本語母語話者による中国語習得過程の実態に英語母語話者による中国語習得過程と共通する点が見いだされたため、今後は、本研究課題における言語横断的意義を考察する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題をさらに進展させるため、9月よりオーストラリア・キャンベラ大学へ在外研究に行くこととなった。渡航に関わる費用および現地での研究継続・研究会参加等に研究費を使用する予定である。
|
-
-
[Presentation] 従"運用"到"知識"的語法教学法2011
Author(s)
鈴木慶夏
Organizer
The 2nd International Conference on Teaching and Learning of Chinese as a Second Language
Place of Presentation
Singapore Centre for Chinese Language, Singapore
Year and Date
2011年9月9日
-
-