2012 Fiscal Year Research-status Report
世界遺産観光英語のe-learningブレンド学習用教材の開発と授業効果の分析
Project/Area Number |
23520690
|
Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
山内 ひさ子 長崎県立大学, 国際情報学部, 教授 (70200582)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 まり子 久留米工業大学, 工学部, 准教授 (20269046)
河又 貴洋 長崎県立大学, 国際情報学部, 准教授 (40316170)
ヘンスリー ジョール 長崎県立大学, 国際情報学部, 講師 (40573382)
|
Keywords | e-learning / マルチメディア / ブレンド学習 / ESP / 世界遺産 |
Research Abstract |
平成24年度は世界遺産に登録されている「白川郷と五箇山」を扱ったCALL試作教材と紙ベースの試作教材を作り、実際に授業で使用した。この教材に対し、学生へアンケート調査を行い、教材への興味、教材の難易度、教材についての改善点などを質問した。その結果、学生の教材に対する関心はかなり高かった。(興味があると答えた学生の割合:CALL教材が68%, 紙ベース教材が79%)教材の難易度については、学科の英語力の差により結果が異なった。英語力が高いクラスの学生には紙ベース教材を使用したが、74%が易しいと回答した。しかし、英語力が劣るクラスの学生対象にはCALL教材を使用したが、易しいと感じた学生はわずかに13%で、難しいと感じた学生が31%であった。このことから、同じ題材を扱ったとしても、学生のレベルに応じた教材の作成が必要であることが判明した。改善点としては、もっと多くの写真などを入れた教材へと改良した方がよいとの示唆を得た。 試作教材による授業結果と近年英語教育で求められている能力と開発中の教材の関連について、平成24年7月にKATE(Korean Association of Teachers of English)において招待講演を行った。また10月にはインドで開催されたAsiaTEFLにおいて口頭発表をした。これら2件の口頭発表内容に加筆した論文を("Developing Multimedia English for Tourism E-learning Materials on UNESCO's World Heritage Sites(2): Tripartite Purposes and Trial Materials")長崎県立大学国際情報学部の『研究紀要』に発表した。 口頭発表で訪問した韓国とインドでは、近隣の世界遺産を訪問し、教材のための資料収集を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に引き続き、教材収集を口頭発表のための海外の学会に参加した時に行い、必要な教材の収集は平成24年度で90%以上完了した。 教材作成と授業については、試作教材が完成し、それを使った授業を平成24年度に実践した。その授業に対する学生の「アンケート調査」結果をまとめ、海外の学会で2回発表した。またこれら2回の口頭発表の内容に加筆をしたものを論文にまとめ、"Developing Multimedia English for Tourism E-learning Materials on UNESCO's World Heritage Sites(2): Tripartite Purposes and Trial Materials"というタイトルで、長崎県立大学国際情報学部の『研究紀要』に発表することができた。教材作成計画を立て、半期の授業に必要な教材開発に着手している。しかし、これまでに収集した他の資料を利用した新しい教材開発を進める部分は予定よりやや遅れている。 総合的に判断すると、この研究は平成24年度末で75%程度の達成度である。教材開発を進め、半期の授業に必要な量の教材を最終年度には蓄積する予定である。また、これまでの研究については、9月にブラジルのCBLAにおいて口頭発表を予定している。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、これまで収集した資料を基に、教材の作成を行う。教材は全部で15種類で、次のような内容となる。(1)UNESCOの世界遺産概要、(2)白川郷と五箇山、(3)イタリアの家、(4)ローマ帝国の影響、(5)平泉と石見銀山、(6)不思議な石、(7)神話の木のマラッカ、(8)韓国の王様、(9)中国の巨大建造物、(10)知床半島と屋久島、(11)日本の神社と寺、(12)パリのお城と博物館(13)イギリスの王様と王女様、(14)広島と原爆、(15)長崎の世界遺産登録への努力。 教材が完成次第、実際に授業で使用し、必要に応じて修正を加える。授業に使用後は学生へのアンケート調査を実施し、教材に対する興味関心、難易度、使いやすさを調べ、修正を加える。さらに、学生の学習成果についても調べる。 教材の使用に関するアンケートと学習成果の結果をまとめ、学会で口頭発表するとともに、論文にまとめて発表する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費の使用計画 1.CALL教材配信用のサーバ一式の購入(30万円、小田) 2.リオデジャネイロ近郊の世界遺産の資料収集(10万円、山内)3.教材作成用の吹き込み謝金(10万円、山内)4.報告書印刷代、消耗品費など(山内、小田、河又、ヘンスリー)
|
Research Products
(3 results)