2011 Fiscal Year Research-status Report
バイリンガリズムを基盤とする言語教育の研究―CALPの育成をめざして
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23520699
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
平井 清子 北里大学, 一般教育部, 准教授 (60306652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 秀夫 目白大学, 外国語学部, 教授 (90091389)
鈴木 広子 東海大学, 付属研究所, 教授 (50191789)
河野 円 星薬科大学, 薬学部, 教授 (20328925)
臼井 芳子 獨協大学, 国際言語文化学部, 准教授 (40296794)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | バイリンガリズム / CALP / CBI / CLIL / コミュニケーション力 / 第二言語教育 / 第二言語習得 / CEFR |
Research Abstract |
1)アジア諸国の英語教育 台湾の改訂後の学習指導要領に則った高等学校英語教科書の調査と小学校、中学校の教科書調査のため台湾師範大学と国立教科書資料中心で資料収集、職員の方との面談を行った(2012年2月)。高等学校の教科書には論理的思考を問う発問が認められ、中学校の読解問題からCBIへの新しい視点が見出された。 2)ヨーロッパ学校の多言語主義教育のカリキュラムおよび授業分析 オランダ のティルブルグにある中等学校とドイツのハノーバーにあるギムナジウムの外国語教育を視察した。教育効果を観察することができた。また、2012年2月12日~20日の日程でCLILの教員養成大学院が設置されているアルカラデエナーレス大学およびエストレマドゥ―ラ大学を訪問し、授業見学及び学生へのインタビューを行った。英語教育において日本と類似しているスペインがCLILを積極的に推進しており、CLILを展開できる教員養成にも取り組んでいることが分かった。 3)CBIの成功例の分析(国内) 国語におけるCALP(学習言語能力)に関する考察を一層深めるべく、文献研究に加えて、秋田国際教養大学などに出向き、能力の発達とそのしくみについてカリキュラムの観点から調査し、授業の展開を観察した。とくに読解において、素材の知的レベル、発問の難易度に注目することにより、CALPへの新しい視点が得られた。 4)小学校高学年から大学2年までの授業(母語の教科)の分析 教師や教材の役割について研究し、ロゴフの「導かれた参加」の視点から、学習者が自分の目標に応じて何をどのように表現したらよいのかを教員がアドバイスし、教材が示唆する役割を考察した。 JACET50回記念国際大会では、近年の日本と海外のCALPを伸長する英語教育とその要素を分析し報告した。10月9日には、講演会を青山学院大学教授アレン玉井光江先生をお迎えし開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、内容重視の教授法(Content-Based Instruction:以下CBI)や CLIL(Content & Language Integrated Learning)及びイマージョン教育の実践例を分析し、日本の英語教育の現場において効果的に応用・展開するには、言語・知識・思考の関係性についてどのような発想の転換が必要かを明らかにすることである。本年度はとくに、CBIという観点から、教室・教材・カリキュラム研究を行うことであった。具体的には、海外実態調査としては、1)アジア諸国(主に台湾・韓国)の英語教育 2) アメリカ:CALLAのカリキュラムを実施しているESLの教室研究 3) オーストラリアの言語教育 4) ヨーロッパ学校の多言語主義教育のカリキュラムおよび授業分析、国内の教室研究としては、 5) CBIの成功例の分析 6)小学校高学年から大学2年までの授業(母語の教科)の分析であった。 本年度は、初年度であることから、関係した文献精読にも力を入れた。海外視察研究としては、それぞれ現地に赴き、アジア諸国(台湾)での教科書、カリキュラム研究、CBIの実践例、ヨーロッパ諸国(オランダ、ドイツ、スペイン)においての、カリキュラム研究、CLILの実践例とそれに関わる教員養成の実態を観察分析することができた。さらに、国内でのCBIの実践例から日本での現状を把握し、それに関わる教師や教材の研究がなされた。以上により、本年度の計画予定をおおむね遂行することができたといえる。しかしながら、支給額が昨年度当初に定まらなかったことがら、見送った、当初の計画に書かれていたアメリカでのCALLAの実践例の研究とオーストラリアの言語教育研究が十分でない点が挙げられ、それらについては、来年度には是非遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は、まず、海外視察研究としては、1)アジア、北米、豪州、ヨーロッパの英語教育、言語教育の実態調査 を以下の観点で行うことを予定している。(1)第一回の現地調査の結果とその後の分析を踏まえ、問題点を明らかにし、第二回の調査課題・フィールドワークでするべき課題を検討する。それに基づき、現地での授業観察、現場での教員および日本人生徒へのインタビューや質問紙調査を行う(第二回)。(2)平成23年度に予定している調査から得た結果を、CALP、メタ認知、言語環境や要因の観点から分析する。これらの分析結果を踏まえ、CBIを日本の英語教育の中で生かすため、特に生徒の言語力と、学習カリキュラム、サポート・システムについて教育モデル(シラバス、授業設計、教材モデル)を提案する。また、 昨年度初めに支給額が定まらず、そのために海外視察を見送った研究についても今年度は遂行する計画である。 国内の教室研究としては、 2)小学校高学年から大学2年までの授業分析について以下の観点で行うことを予定している。(1)2011年度の海外視察の分析結果および、国内のCBI成功例の分析結果から、英語の高いコミュニケーション能力を育成するために、どのようなカリキュラム、教材、言語活動、教員の役割、サポート・システムが必要であるかを明らかにしていく。中学校で本年度から使用されている新学習指導要領に即した教科書における、CALPの育成についての調査を計画している。 また、実証研究としては、3)海外の視察調査分析、国内の教室研究の調査分析結果を踏まえ、具体的な授業・教材設計の基盤となる教育モデルを提案し、試行授業の実践およびその教室分析を行い、実証的に検証する。 さらに、研究成果の発表を、国内外の学会で口頭発表し、学会誌に論文を投稿する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度は研究計画2年目になるので、昨年時に行った文献研究と予備調査をもとに、本格的な海外視察研究を行う計画である。したがって、海外渡航費として使われる額が増えることが見込まれる。これは、昨年度の初めに支給額が定まらず、見送った海外視察研究をおこなうことからもその額が増加することが見込まれる。 また、国内の視察調査のための費用、さらには、国内外での研究発表のための費用などもその内訳としては計画されている。また、日本語CEFRやCLILに関して最新の研究を行っている研究者を招へいしてシンポジウムやワークショップを行う計画をしており、その費用支出が見込まれる。 そのほかは、昨年度に引き続き、文献購入費が予定されている。これは、国内の教科書研究をするために、中学校の教科書を購入するので、そのための費用が中心なることが見込まれる。
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Research Products
(16 results)