2013 Fiscal Year Research-status Report
修辞疑問文の生成プロセスと習得モデルに関する日英語比較研究
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23520703
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Research Institution | Takachiho University |
Principal Investigator |
松谷 明美 高千穂大学, 人間科学部, 教授 (60459261)
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Keywords | 統語論 / 運用論 / 言語習得 |
Research Abstract |
平成25年度に行った研究実績は次の通りである。第1期(4月―9月)において、プロジェクトメンバーであるPatricia Hironymous (Glendale College, 米国)と、コンテクストに焦点を置き、特に話し手と聞き手の間の前提 (presupposition)を中心に日本語と英語のwh-rhetorical questionsとwh-cleft questionsの事例を比較対照し、派生プロセスについて考察した。第2期(10月― 3月)においては、特にwh-rhetorical questionsとwh-cleft questions関して、日本語を母語とする子供たちがどのように習得しているかを、コーパス(CHILDES)からデータを抽出し、分析した。とくに子供の発達(これらの疑問文が発話される年齢)・周囲によるインプットとの関係について考察した。1月に12th Hawaii International Conference on Educationにおいて、 その成果(‘A Study of Wh-Question and Clefting Productions in Children’)を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英語と日本語のwh-rhetorical questionsとwh-cleft questionsの事例を比較対照することで、それぞれの派生プロセス(presuppositionが派生を誘発している可能性)を考察することができ、英語を第二言語(外国語)として学習する大学生のための外国語教育に活用できるだろうと考えられるからである。また、母語として日本語を習得する子供たちのwh-rhetorical questionsとwh-cleft questionsに関するデータをコーパスから抽出し、分析考察することで得られた習得プロセスにおける特徴も第二言語習得についての最終年度の研究に繋がって行くと考えられるからである。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで3年間に行った母語としての英語と日本語のwh-rhetorical questionsの派生プロセスと習得プロセスに関する研究をもとに、英語を第二言語(外国語)として学習する大学生がどのように英語のwh-rhetorical questionsを習得するかを調査実験して、その習得プロセスについて研究を進めて行きたい。そして、このプロジェクトの成果を学会等で発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果を1年間に2回する予定していたが、1回のみの学会発表になってしまったため。 第1期(4月― 9月)においては、英語を母語として習得する子供たちがどのようなプロセスを経ながら英語のwh-rhetorical questionsを習得していくのかを、実際のデータを中心に分析考察するために、調査実験を実施するための旅費および補助アルバイトに研究費をあてたい。また研究を推進するために必要な文献資料・専門書の購入のために使用したい。さらに、第2期(10月― 3月)にかけて学会等で成果を発表するための旅費として支出する予定である。
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