2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23520709
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
川崎 貴子 法政大学, 文学部, 教授 (90308114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MATTHEWS John 中央大学, 文学部, 教授 (80436906)
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Keywords | 第二言語習得 / 音声学 |
Research Abstract |
母語の音声知覚においては、人は普段、細かい音声手がかりに注意を払わず、意味区別に必要とされる大まかな手がかりのみに注意を払うとされる。本研究は、この母語での音声知覚システムが第二言語での音声知覚にどう影響し、どのように音声知覚が発達していくのかを明らかにしようとするものである。これまでの2年間の研究では、少なくとも低次の音声レベルでは、母語で意味区別に利用されず、注意を払われていない音響手がかりであっても、第二言語の音声知覚の際には利用されていることが分かった (Kawasaki et al 2013)。 更に、Matthews & Kawasaki (2013) では、Activation Threshold Model をという音声知覚システム習得のモデルを提唱した。このモデルは、音響手がかりの利用は、意味区別を担う音のカテゴリと音響手がかりのマッピングが形成されることにより、抑制されるというものである。このモデルでは第二言語の習得初期段階においては、音響手がかりと音のカテゴリとのマッピングが形成されていないため、様々な音響手がかりに注意が分散される。しかし、マッピングが形成されることにより、意味区別に必要な音響手がかりにのみ注意が集中することとなり、母語の音声知覚により近い、効率よい知覚が行われるようになる。このモデルに基づけば、音響手がかりとカテゴリのマッピングの形成が、第二言語音声コミュニケーション習得に必要なステップであることを示唆するものである。
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Research Products
(4 results)