2011 Fiscal Year Research-status Report
グローバルビジネス環境に対応するESPカリキュラムガイドラインの作成
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23520719
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
伊東 田恵 豊田工業大学, 工学部, 准教授 (40319372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 恵子 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (80369371)
太田 理津子 慶應義塾大学, 環境情報学部, その他 (50537412)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | カリキュラム / テスティング |
Research Abstract |
本研究は、客観テストの得点とCan-doチェックリストによる「自己評価」の情報を基に、類似言語経験(経験要因)が業務パフォーマンスに及ぼす影響を解明することと、「業務の達成」に重点を置いた即戦力となる英語力を最も効率的に養成するためのカリキュラムガイドラインを作成することを目標としている。 平成23年度は調査研究とCan-doリストの改定を行った。最近のビジネスコミュニケーションの実情を1)文献調査、2)インターネットによる情報収集、3)ビジネスコミュニケーションおよび実用英語関連の学会における情報収集、4)研究協力者へのアンケートと聞き取り調査、を主体にして先行研究で開発した業務関連タスク65項目のCan-doチェックリスト項目の再検討を行った。調査の対象者は企業で英語を使用して業務を行っているビジネスパーソンであり、65項目のタスク項目の実際の使用や必要性、項目に漏れはないかなどを尋ね、項目の妥当性について検討を重ねた。結果、新たな項目を追加する必要があるとの結論に達し、Can-doリストの改定を進めた。新リストでは現在のビジネス英語のニーズに対応するため、テレビ会議や多文化環境に対応したビジネスコミュニケーションに関連する項目の追加と旧リストの文言の変更などを行った。近年のビジネス英語のニーズに適合した項目を追加することで汎用性が高まり、より有益なリストとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、既に取得済みのデータを利用し、分析を行う予定であった。しかし、文献調査や聞き取り調査、そして近年加速しているビジネス環境のグローバル化を鑑みて、新項目を追加して再調査を行うべきという結論に達した。今回はWebサイトのアンケートからデータを収集するという方法で調査を実施することになった。先行研究で調査を行った際の5件法によるチェクリストの調査に加えて、自由記述式の質問を導入し、新たなデータ収集を行いテキストマイニングを行うことになった。申請時の研究計画を発展させ、新たな調査を加えるという変更が生じたため、研究計画全体から見ると多少の遅れが生じる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は1)新項目を加えたcan-do項目の再調査、2)経験要因の研究、3)自由記述の分析、4)データの総合的分析研究 を行う計画である。 文献調査、面接調査の結果から新たに追加した項目を中心に再調査を行う。調査方法はインターネットリサーチで、新項目を含めた45項目のcan-doリストに自由記述欄を付加して調査を行う。そして新たに取得したデータを加えて経験要因の研究を行う。評定者の自己評価の正確性を左右する様々な要因と、自己評価に係わる要因の関係を十分に考慮に入れつつ、経験要因については、特に日本人のビジネスマンに当てはまる事例を、質問紙や聞き取りによる現状調査と照らし合わせて研究を進めていく。自由記述の分析は、テキストマイニングの手法を用いる。記述欄に記された語の出現頻度や相関関係などを割り出すことで、質的なデータを数値化して客観的に分析する。自由記述の分析は質問者が想定していないニーズを抽出することも可能であり、分析結果は最終年度のカリキュラムガイドラインの作成に反映させる。面接調査は本年度も継続して行い、できるだけ多くの事例を収集する。ビジネスパーソンを対象とした聞き取り調査は本年度も継続して行い、できるだけ多くの事例を収集する。経験要因とその他の要因の研究結果と自由記述の調査分析結果を基に、データを様々な角度から総合的に分析して最終年度のESPカリキュラムガイドライン作成に結びつける。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度からの繰越し金は主として備品・消耗品等の購入、調査協力者への謝金、ならびに研究補助者が使用するPCとソフトウエアの新規購入のために使用することを計画している。当該研究費が生じた理由は、当初の研究計画をさらに発展させて自由記述調査を加えることになったために生じた変更によるスケジュールの遅延の影響である。また、当初初年度のみに実施の計画であった聞き取り調査は、業種・職種・経験年数・役職などにより多種多様な回答が得られるため、継続して行うことになった。これら企業の聞き取り調査のための旅費と研究協力者への謝金として使用する。本年度の研究費は新たに発生したインターネットリサーチにおけるデータ収集に関連した費用と統計分析のための入力を含めた基礎的なデータの作成作業を行う研究補助者への謝金、文献とデータ交換のための備品購入費用、先に購入した統計ソフトの更新費用、打合せと成果発表のための旅費などに使用する。
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