2012 Fiscal Year Research-status Report
グローバルビジネス環境に対応するESPカリキュラムガイドラインの作成
Project/Area Number |
23520719
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
伊東 田恵 豊田工業大学, 工学部, 准教授 (40319372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 恵子 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (80369371)
太田 理津子 慶應義塾大学, 環境情報学部, その他 (50537412)
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Keywords | カリキュラム |
Research Abstract |
平成24年度は1)新項目を加えたcan-do45項目の再調査、2)ニーズ分析、3)経験要因の研究、4)自由記述の分析、を行った。 前年度の文献調査と面接調査の結果を受けて新たに追加した項目を中心に再調査を行った。調査方法はインターネットリサーチで、新項目を含めた45項目のcan-doリストに自由記述欄を付加した調査を行い3000のデータを取得した。ニーズ分析は28の業種に分類して行った。45の各業務タスクの経験と必要性を分析した結果、必要性上位10のタスクで必要な英語のスキルは4技能に亘り、特に製造業では2つ以上のスキルを同時に使用するインターラクティブなコミュニケーション・スキルが必要な業務が上位に入っていたことが特徴的であった。全ての業種において、『自分の業務・専門に関する文書を辞書をほとんど使わず理解できる力』が求められており、自分の分野に関する専門的な語彙の習得が必須であることが示された。45項目のcan-do分析と同時に、テキストマイニングによる自由記述の分析を行った。英語習熟度ごとに出現回数を調査し、更に必要性が高かった語については(「メール」、「会議」など)の共起の割合を調べた。出現頻度の高い語については、記述の質的分析を行い習熟度との関連を調査した。結果、英語の習熟度に関わらず、実践の場で一定業務を英語で遂行することが求められるという企業の現状が浮き彫りになった。経験要因については質的・量的の両側面から分析を行った。その結果、タスク経験は自己評価点に影響を与えるが「難しく、専門的、発信に関わるタスク」は経験の影響が大きく、「易しく、一般的、受信に関わるタスク」は経験の影響が少ないことが分かった。また、分散分析を行った結果、10のタスクに交互作用があり、経験は自己評価に影響を与えるが、その影響度はタスクによって異なることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の聴き取り調査の結果、新項目を追加して再調査を行うべきという結論に達したため、リストを改定したり、多肢選択方式の調査に加えてテキストマイニングを行うために自由記述によるデータ収集を行うなどの計画変更が生じたため、全体の研究計画に多少の遅れが生じる結果となった。本年度は収集したデータのニーズ分析と経験要因の分析まで行ない、遅れをほぼ取り戻した形である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である25年度は、23年度の調査研究、24年度の経験要因の研究結果を受け、カリキュラムガイドラインの作成を行う。 ガイドラインは汎用性と運用性を重視し、図表を取り入れて可視化に努める。ニーズ分析、経験要因の分析結果を反映させてさまざまな英語習熟度の学習者に対応できるようまとめ、言語教育専従者のみならず、企業の人事担当者や研修企画者、または、即戦力となる実践的英語力の養成を目指す多くの対象者にとって運用が容易なガイドラインとなるよう作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度からの繰越金については、主として備品・消耗品等の購入に使用する。本年度の研究費は基礎的なデータの作成業務を行う研究補助者と調査などへの研究協力に対する謝金、文献とデータ交換のための備品購入費、先に購入した統計ソフトの更新費、打合せと成果発表のための旅費などに使用する。
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