2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23520724
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
小山 敏子 大阪大谷大学, 文学部, 准教授 (20352974)
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Keywords | 電子辞書 / スマホ辞書 |
Research Abstract |
最終年度にあたる今年は、2011年度から行っている実証研究の内容をさらに発展させた。すなわち、メタ認知活動を加えた辞書使用方略指導の定着を、1)辞書学習者の意識、2)検索行動、の運用の両面からより正確に測定することを目指した。 昨年度とは英語習熟度と方略訓練の実施期間も異なる今年度の実験は、大学学部1回生20名を対象に、6ヶ月間行われた。読解用のテキストを学習する際、1)積極的に辞書を使うことを奨励し、2)特に多義語が含まれた部分を取り上げ、辞書検索方法を意識的に教授した。その上で、3)参加者が自発的に担当を決め、内容を解説するような活動を行った。同時に、4)自宅学習として、未知語を中心に品詞を含む語彙の定義や用例やイディオムなどを記録するよう指導した。 この取り組みの効果を検証するため、実験期間の最初と最後に、多義語が含まれた複数の英文で構成された小テストを各自の電子辞書を使って解答させるとともに、自分がとった辞書検索行動を尋ねる質問紙を配付した。結果として、辞書使用方略の定着には際だった差が見られなかったが、参加者の自由記述から、こうした辞書方略訓練によって、学習者が主体的に辞書を活用するようになることが示唆された。 また、昨年度から予備実験的に開始した、電子辞書とスマホの辞書アプリの比較実験である。実験では、参加者が普段利用している電子辞書と同じコンテンツが入ったスマホ版辞書を使って英文を読むタスクを課した。そして、電子辞書を使った場合と、1)検索時間、2)検索語数、3)1週間後の検索語の再認率、4)学習者の辞書への印象、などの比較を行った。参加者をデータの信頼性を高めているところであるが、現時点では、どちらの辞書を利用しても英語問題の正答率に差は見られなかったが、実験後には、個別にインタビューを行ったため、それらの口述データを質的な手法で分析予定にしている。
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