2012 Fiscal Year Research-status Report
二次元コードを使用した音声英語教育の改善と視覚障害者教育への応用に関する研究
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23520726
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Research Institution | Tezukayama Gakuin University |
Principal Investigator |
南 比佐夫 帝塚山学院大学, リベラルアーツ学部, 教授 (50157567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 景子 日本福祉大学, その他, 非常勤講師 (80424943)
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Keywords | 二次元コード / 教育工学 / 教材開発 |
Research Abstract |
平成24年度の二次元コードを利用した情報保障の試みとして、前年度に作成した動物模型による二次元コード読み取りおよび聞き取りの調査に関連づけるべく、5種類の動物を一枚の紙に描いた絵画を準備した。その上で、各動物画の輪郭をUVインクを塗布して浮かび上がらせた。点図を用いなかったのは、UVインクの方が加工がしやすいためである。説明文の印刷とそれに対応するUV加工の点字は最小限におさえ、二次元コードによる音声解説の有効性を実証することに重点を置いた。それぞれの動物図の輪郭内の全面に二次元コードを印刷し、輪郭内のどの箇所に二次元コード読み取り機を当てても音声解説を引き出すことができるようにした。音声解説は日本語と英語によるもので、言語の切り替え用の二次元コードを絵画のしかるべき場所に印刷した。 以上のようにして作成した絵画の完成度を調べるために、大阪市内の特定非営利活動法人てんやく絵本ふれあい文庫代表の岩田美津子氏および社会福祉法人日本ライトハウス情報文化センターサービス部長の岡田弥氏に絵画を持参し、UVインク活用と二次元コードを利用した音声解説の有効性について意見を聴取した。岩田美津子氏からは絵画の制作段階において有益な助言をいただいた。以上の実地検証の結果を踏まえ、平成25年3月には日本英語音声学会中部支部第20回大会シンポジウム「学習支援を必要とする学生への英語教育と応用音声学―理論・課題・提案」にて経過を報告した。また、同年同月に開催された二次元コード研究会第3回研究会では「二次元コードを利用した情報保障の試み―点字、UVインク、そして音声ペン」という題目で研究成果の発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に行った動物模型を用いた二次元コード読み取り機の使用に関する実証研究と関連づけるかたちで動物絵画を作成し、絵画と立体模型および二次元コードを利用した音声解説とを統合させることができた。また、絵画の制作段階で協力をお願いした特定非営利活動法人てんやく絵本ふれあい文庫代表の岩田美津子氏はこの分野の第一人者であり、これまでに数々の点訳絵本を制作してきた経験を踏まえた貴重な意見や示唆を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、これまでに制作した動物模型と動物絵画および二次元コードを利用した音声解説を統合したマルチモーダルな情報保障のあり方を関係方面に示し、新しい情報保障の然るべき方向を提案する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2年間にわたり実証研究を行ってきた二次元コードを利用した情報保障の試みを継続する。その成果を発表するために平成25年8月には大阪で招待講演およびシンポジウムを開催する予定である。また、これまでの実証研究の内容をまとめた論文を執筆し投稿することにしている。
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