2013 Fiscal Year Annual Research Report
非言語行動の許容度とコミュニケーション距離に関する日中韓比較研究
Project/Area Number |
23520727
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Research Institution | Hannan University |
Principal Investigator |
曹 美庚 阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (30351985)
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Keywords | 非言語コミュニケーション / 異文化コミュニケーション / パーソナリティ / 日韓比較 / 非言語行動 / タッチ / Big Five |
Research Abstract |
他者との対面コミュニケーションの際に、非言語コミュニケーションの役割は大きい。非言語コミュニケーションの表現方法には、表情や声以外にもジェスチャーやタッチなどが含まれる。しかしながら、タッチによる感情表現の場合、タッチの授受方法や調整を誤ると緊張感や警戒心が高まり、不快感や疎外感を覚え、うまく異文化コミュニケーションをとることができなくなることがある。それは、人によってタッチを好む人もいればそうでない人もいるなど、タッチ性向には個人差があるからである。本研究では、非言語コミュニケーションとしてのタッチ性向に注目し、パーソナリティがタッチ性向に及ぼす影響について日本人と韓国人を対象に比較調査を行い、タッチ性向の高低の差をパーソナリティ特性によって普遍的に説明しようと試みた。その際、幼少期における親からのタッチ経験がパーソナリティ特性とタッチ性向との関係に調節変数(モデレータ変数)として機能していることも検討された.また,男女間のタッチ度合いの違いについても考察を行った。 調査の結果、日本の大学生と韓国の大学生のいずれにおいても、パーソナリティ特性のうち、特に外向性と情緒不安定性がタッチ性向に有意な影響を与えていることが確認できた。とりわけ女子においてその影響が顕著に現れた。また、各相手とのタッチ度合いにも男女差が認められた。さらに,幼少期におけるタッチ経験がタッチ性向に影響を及ぼすのか否かについては、高経験群と低経験群の比較から、タッチ経験の高低が、パーソナリティ特性とタッチ性向との関係において調節変数(モデレータ変数)として機能していることが明らかとなった。これまで独立的に行われてきたパーソナリティ研究とタッチ研究の融合を図ったことは、本研究の大きな貢献といえる。
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