2013 Fiscal Year Annual Research Report
初級者に効果的なマルチメディア英語教材:脳科学的考察を加えて
Project/Area Number |
23520732
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Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
中野 秀子 九州女子大学, その他部局等, 教授 (20309735)
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Keywords | 音素認識 / 文字表記 / リズム表記 / 小学校英語学習 / θ波 / 学習促進 |
Research Abstract |
本研究では,小学生の英語学習で文字やリズム表示有無での学習効果の違いを調べ、効果的なマルチメディア教材を提案した。結果の概要は下記の通りである。1.ドライ電極を開発し、学習中の脳内変化の測定に従来型と同様な信頼性を得た。2.語彙学習中の脳波α、β、θ波ではθ波が有意に高く、学習の進みとθ波に関連があることが示唆された。3.文字有の教材学習中のの学習者のθ波は文字無のθ波より有意に高かった(t = 3.195, p < .01)。4.リズム表示有無の教材の学習中では表示有の方がθ波が高かった。5.リズム学習前後のテストで参加者のリズムパターン短縮率は、リズム表示有の方がより高かった。6.英語語彙学習中の音素認識と文字表示に関して、「絵+音」と「絵+音+スペル」の 語彙学習中の前頭部で出現するα、β、θ波では、θ波に有意な変化があった(p < .0001)。7.スペル有の教材の学習中に出現したθ波はスペル無の教材学習中のθ波より有意に高かった(t = 4.39, p < .01)。8.学習後の「音-スペル」と「音-絵」マッチング・テストの結果、スペル学習と語彙学習に有意な相関があり(p < .05)、「音-スペル」テストの点が高い参加者は「音-絵」テストの点も高く、小学校英語学習開始1年で既に音素認識の習得に差があり、小学校5年生の後半の時期では文字有の教材の方が効果的に学習を進めることができる可能性を示した。9.さらに、学習中に前頭部に出現したθ波は音素認識の高いグループの方が低いグループより有意に高かった(p < .01)。これらの結果からθ波は英語学習が進むにつれて高くなる可能性を示唆される。 小学校初級英語学習時、「音+絵」に文字やリズム表示を付加した教材が効果的であるという本研究の結果を踏まえて、マルチメディア語彙学習教材を作成し5月末までにホームページで公開する。
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