2011 Fiscal Year Research-status Report
視覚障害児童の外国語活動における二次元ドットコードの活用と触図教材開発の研究
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23520734
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Research Institution | Yonezawa women's junior college |
Principal Investigator |
北山 長貴 山形県立米沢女子短期大学, 英語英文学科, 教授 (00214825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 景子 日本福祉大学, その他の部局, 非常勤講師 (80424943)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流(米国) |
Research Abstract |
本研究は視覚障害児童のための特別支援学校教育における外国語活動での工学機器と触図の活用による学習指導方法の提示と学習プログラムの構築である。特別支援教育おいて特別支援学校はセンター的機能として障害種に応じた教材の開発、情報機器の整備と活用が求められている。そのために平成23年度から必修科目となる外国語活動の教材「英語ノート」を視覚認知の特性にも適合した教材として提示するため、次世代の障害者情報保障の新ソリューションであるオンデマンドの対応が可能な二次元ドットコードとドットコード読み取り音声デバイスそして触図を活用した学習プログラムの考案とその実験検証を行い、学習指導モデルを構築することにある。平成23年度の研究実績の概要と研究課題はこれまでの研究成果を踏まえ以下の枠組みとなる。(1)特別支援学校における外国語活動の実態に関しては特に「英語ノート」の指導方法を把握し、障害種の実態にあった指導内容と言語教材を精選し、障害者一人一人に必要な援助を模索する。(2)補助教材としての二次元ドットコードとコード読み取り機器を活用した学習プログラムの作成を試みる。また、必要な言語教材の触図プリントを作成する。上記研究課題に即し、平成24年度末までに「英語ノート2」(6年生用)の内容を搭載した音声ペン用のプログラムと点字ワークシートを開発した。そして協力校において音声ペンを利用した研究授業を行った。授業の着目点は音声ペンの操作性と点字ワークシートの使いやすさであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である特別支援学校教育における二次元ドットコードとドットコード読み取り機器、触図を活用した小学校外国語活動での指導方法の構築を達成するために以下の研究計画を採用した。(1)資料収集・分析、科研費等の先行研究の整理、プレテスト、分析・検討の枠組みの設定:(1)実証調査実施のための情報収集と実態調査、(2)先行研究の検討と研究実行計画の立案、(3)プレテスト実施のための情報収集と調整、及び調査依頼、(4)プレテストの実施に対する検討会での意見交換。(2)本調査計画の立案作成をめざしての基本会議、研究会の開催:(1)検討会議:年3回参加者3名、(2)実証調査研究デザインの構築;i先行研究の分析に基づく実証調査内容の検討、iiプレ調査活動の実施:国内、国外でのヒアリング・資料収集、国内調査地:先行研究のある協力施設(横浜)、国外:触図を活用した教科指導実践の視察(米国)、(3)データに基づく研究検討会の開催:年2回;i調査に対する意見交換と調査協力依頼、ii実証調査における着眼点の特定(3)プレ調査データからの予想される調査内容項目の精選:(1)音声デバイス用入力データの選定、触図シートの作成、音声ペンの設定方法、(2)教材活用の成果、学習指導への応用、活動の様子。【問題点】23年度は計画通り(1)「英語ノート」の内容を検討し適切な言語教材を選択し、盲学校における触図活用の実態調査を行い、(2)音声デバイスへの入力内容と作成した触図の整合性を山形県立盲学校で検討し、被験者の活動の様子を観察し研究会で検討を行った。しかし、24年度から「英語ノート」の改訂が行われ「Hi, Friend!」となった。今後は作成した音声教材と改訂された「Hi, Friend!」の内容の整合性を検証する必要性が出てきた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策として平成24年度以降の具体的な研究内容は以下の3点となる。(1)学習プログラムのモデル作成を目標にした実証調査の準備:(1)実証調査の実施、(2)調査結果の分析、フィードバック、評価、(3)学習プログラムの試作。(2)プレテストに基づく実証調査の実施:調査結果に関して以下の手順と項目について分析、フィードバック、評価を行い学習プログラムの作成に取り組む。(1)研究調査打ち合わせ:年2回参加者3名、(2)実証調査の調整作業:調査対象者の抽出のための打ち合わせと依頼等の調整作業、(3)調査結果に基づく研究検討会の開催:年2回、(4)調査実施予定時期:平成24年11月上旬~12月上旬。(3)学習プログラムの作成・評価・報告:本調査で得られるデータから以下の点に着目して分析を行う。また、事例考察結果についての成果報告から助言を得ながら言語教材と操作性についての向上に取り組む。(1)調査内容を晴眼者の授業と比較してその差異の確認、(2)担当教員、専門家の協働による諸問題の解決と提案、(3)実証実験および観察の分析結果をもとにプログラムの作成のための要因分析と検証;i音声デバイス操作に対する関係要因の比較分析、ii音声デバイスの操作方法の質的アンケートによるフィードバック、iii触図の試行と音声デバイスの設定、iv音声デバイスの操作性の検証、(4)評価;i触図の試行についての評価、ii触図と音声デバイスの有効性の評価、iii活動の様子、教材活用の成果、システムの汎用性の評価、iv 参加観察法による操作性についての評価、(5)成果報告;i指導事例の提示、ii簡単な報告書を作成し調査協力関係機関へ配布、iii具体的な提案を含む結果報告を通じて被験者への結果還元。【研究体制】視覚障害児童の実証評価を行うために平成23年度と同様の研究協力者および研究協力施設である盲特別支援学校の支援体制得て研究を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)設備・備品費:調査研究に必要な文献収集のための費用、記録作業保存のために必要な経費を計上した。障害者言語習得に関する図書・資料(20冊×@5)(県立米沢女子短期大学)、合計100(金額単位:千円)。(2)消耗品費:実証実験を行うにあたり、障害児童一人一人のニーズをオンデマンドで対応する必要がある。そのため、使用する二次元ドットコードの編集が必要となる。また読み取り機器もドットコードの変更内容に応じた仕様にする必要がある。これらの経費を計上した。合計100。(3)旅費(国内):盲特別支援学校(横浜市立盲特別支援学校)での実証実験と東北の特別支援学校(山形盲学校)での調査・実証実験を予定しているため、その交通費、宿泊費を計上した。調査・研究旅費(横浜×2)(山形×2)70、研究打合旅費(名古屋×2)(山形×2)140、成果発表(学会×2)100、合計310。(4)謝金等:実地調査における情報の提供等の協力に対する謝礼、データ処理・整理への謝金が含まれる。専門知識の提供40、データ打込み40、資料整理謝金40、合計120。(5)その他:本研究調査の機材の保守管理費、各種用途のための通信費、研究内容・成果の論文投稿費、シンポジウム開催に伴う会議費を計上した。機材保守管理50、会議費50、研究成果投稿50、通信費20、合計170。
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Research Products
(2 results)