2012 Fiscal Year Research-status Report
視覚障害児童の外国語活動における二次元ドットコードの活用と触図教材開発の研究
Project/Area Number |
23520734
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Research Institution | Yonezawa women's junior college |
Principal Investigator |
北山 長貴 山形県立米沢女子短期大学, 英語英文学科, 教授 (00214825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 景子 日本福祉大学, その他部局等, 非常勤講師 (80424943)
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Keywords | 国際情報交流(米国) |
Research Abstract |
本研究は視覚障害児童のための特別支援学校教育における外国語活動での工学機器と触図の活用による学習指導方法の提示と学習プログラムの構築にある。特別支援教育おいて特別支援学校はセンター的機能として障害種に応じた教材の開発、情報機器の整備と活用が求められている。そのために平成23年度から必修科目となる外国語活動の教材「英語ノート」を視覚認知の特性にも適合した教材として提示するため、次世代の障害者情報保障の新ソリューションであるオンデマンドの対応が可能な二次元ドットコードとドットコード読み取り音声デバイスそして触図を活用した学習プログラムの考案とその実験検証を行い、学習指導モデルを構築することにある。 平成24年度の研究実績の概要と研究課題はこれまでの研究成果を踏まえ以下の枠組みとなる。1、学習プログラムのモデル作成を目標にした実証調査の準備①実証調査の実施、②調査結果の分析、フィードバック、評価、③学習プログラムの試作。2、プレテストに基づく実証調査の実施①研究調査打ち合わせ、②実証調査の調整作業、③調査結果に基づく研究検討会の開催、④調査実施。3、学習プログラムの作成・評価・報告:本調査で得られるデータから以下の点に着目して分析を行う。①調査内容を晴眼者の授業と比較してその差異の確認、②担当教員、専門家の協働による諸問題の解決と提案、③実証実験および観察の分析結果をもとにプログラムの作成のための要因分析と検証④評価:i 触図の試行についての評価、ii触図と音声デバイスの有効性の評価、iii活動の様子、教材活用の成果、システムの汎用性の評価、iv参加観察法による操作性についての評価、⑤成果報告としてシンポジウムの開催準備をはじめた。シンポジウムの内容検討と講演者の選出、依頼。参加者の募集。その他に会場の確保とプログラム等作成の事務作業。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は特別支援学校教育における二次元ドットコードとドットコード読み取り機器、触図を活用した小学校外国語活動での指導方法の構築である。 平成24年度より小学校英語の教材「英語ノート」が「Hi, friends!」となった。これまで本研究は「英語ノート」の内容を二次元ドットコード化し、教材の作成、学習プログラムのモデル化を行ってきたが、教材の内容変更による課題が新たに生まれた。そこで、今年度は新旧教材の内容比較を行った。その結果、昨年度に作成したドットコード読み取り機器に内蔵させるデータの変更が必要となった。この点においては、音声デバイスの汎用性が課題となった。 2つの教材の内容比較の結果から言語材料について現場の教員が留意しなくてはならないことが明らかになった。2つの教材の目次等を比較するとその内容には大きな違いがないようだが、本文の内容を詳細に検討すると現場の教員を困惑させる内容が見られた。例:「英語ノート」Lesson 6と「Hi, friends!」Lesson 5の中国国旗の説明において、前者の英語の音声は “Red and yellow.”に対し後者のテキストは “Yellow and red.”と反対になっている。 また、特別支援教育における今後の方向性を示す「インクルーシブ/イングル―ジョン」についての文献目録を作成した。これまでは海外の動向を紹介する文献が中心であったが、最近では我が国がこれまで育んできた特別支援教育にどのような形でインクルーシブ教育を融合させるかが大きな課題となってきている。そして日本型インクルーシブ教育の構築を求めているのが現状となっている。この知見において、音声デバイスを使用した教材はその応用性から健常児と障害児がともに学ぶ場としてのインクルーシブ教育に有意義な手段と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
小学校英語活動における触図と音声デバイスを利用した学習プログラムの作成と成果公開が今後の研究となる。平成25年度は本研究の最後の年度となる。これまでの実証調査の実験・評価結果をシンポジウムの形式で成果発表を行う予定である。 特に音声デバイスの操作性・汎用性については他の専門家を交えての考察が必要になる。本研究では外国語活動の内容を特に視覚障害児童を対象にした音声デバイスの利用であるが、他教科や視覚障害児童以外にも応用ができるかその必要性を探求することを念頭に、幅広い二次元コードを利用した教材の活用方法の可能性を検討したい。今後の特別支援教育の動向は日本型のインクルーシブ教育の確立である。そのために、二次元コードがどのように貢献できるかをシンポジウムで多角的に検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①設備・備品費:調査研究成果発表に必要な文献収集のための費用を計上した。障害者言語習得に関する図書・資料(10冊×@5)(県立米沢女子短期大学)、合計50(金額単位:千円)。 ②事務消耗品50。 ③旅費(国内):研究成果発表のためのシンポジウム開催を予定しているため、その交通費、宿泊費を計上した。準備打ち合わせ名古屋(2回×@600)120、シンポジウム当日(大阪)80、合計200。 ④謝金等:シンポジウム開催のための費用を計上した。ポスターデザイン費(40)、講シンポジウム講師謝金(3人×@300x)90、資料整理謝金70、合計200。 ⑤その他:シンポジウム開催に伴う費用を計上した。シンポジウム会場費120、通信費50、会議費30、合計200。
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Research Products
(2 results)