2011 Fiscal Year Research-status Report
発話を促す実用的スピーキングテストの開発とピア評価システムの確立
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23520744
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平井 明代 筑波大学, 人文社会系, 教授 (00312786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 俊英 白鴎大学, 教育学部, 講師 (90580861)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | スピーキング / 実用的テスト / 合成音声教材 / ストーリーリテリング |
Research Abstract |
本研究は、授業で手軽に活用できる実用性のあるスピーキングテストおよび評価方法の研究・開発を目的とする。特に、中学・高校・大学の学習実態に合った発信能力だけでなく受容能力の学習にプラスの波及効果を生むテスト形式として、読んだ内容あるいは聞いた内容を話す方式を取るテスト(SRST: ストーリーリテリング・スピーキングテスト)を完成させ、教員評価だけでなく生徒同士が評価し合うピア評価の信頼性を上げるような評価システムを築き上げることを目標とする。初年度である平成23年度は、リスニングを組み合わせた中級レベルのスピーキングテストの開発に向けて、リスニング用テキストを読み上げソフト(有料ソフトのGlobalvoice English)で代用することができるか調べた。読み上げソフトで作られる合成音声スピーチをネイティブ・スピーカーによる読み上げスピーチと次の2点について比較を行なった。(1)理解可能度(どれくらい内容を理解できる音質を有しているか)、(2)自然さ(直感的にどれくらい聞き手にとって自然に聞こえるか)である。(1)は通常多肢選択式問題で、(2)はアンケートを用いて調査を行った。その結果、合成音声を使用した音声テキストであっても、一度聞いた経験がある場合は、自然音声と同程度の理解度を得ることができることがわかった。また、合成音声であっても、自然音声同様に自然さがあると知覚していた。特に、英語力の低いレベルの学生は、音が規則的に変換された音声の方が聞きやすいと感じていた。よって、ネイティブ・スピーカーに毎回、録音を依頼せずに、文字テキストを合成音声ソフトで音声変換して、授業や実験などで代用できることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である平成23年度は、リスニングを組み合わせた中級レベルの教材開発に向けて、合成音声ソフトを利用して、教材を作成し、自然音声と比較する計画であった。その計画通り、合成音声と自然音声の比較実験を行い、分析、研究のまとめ、および学会への投稿まで計画通り行うことができた。よって、ほぼ、順調に進展していると言える。ただ、24年度に向けての討議が若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、合成音声の明瞭度についてまだ解明できていないため、その部分に焦点をあてていく。昨年度は、打ち合わせが月1~2回のペースで討議できなかったため、共同研究者が本学に来て討議するための旅費等が未使用となった。平成24年度は、討議を再開するため、その繰越金をその旅費に充てる。また、24年度予算に関しては、当初の予定どおり、次の実験準備および学会発表に充てる予定である。1.TOEIC問題集から、ディクテーション文を自然音声と合成音声のそれぞれについて5~10文程度準備する。2. 作成したテストを学生に受験してもらう。調査は両研究者の勤務大学において実施する予定。3. 得られたデータを分析し、その結果をまとめた論文を海外学術雑誌のSystemに投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
分析に使用するためのソフトの購入予定(10万)、国内外の学会発表2件のための旅費(60万円)、分析のための短期雇用(10万円)、書籍や複写費(10万)および討議旅費や消耗品(約7万)、以上計97万円
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Research Products
(1 results)