2014 Fiscal Year Research-status Report
発話を促す実用的スピーキングテストの開発とピア評価システムの確立
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23520744
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平井 明代 筑波大学, 人文社会系, 教授 (00312786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 俊英 白鴎大学, 教育学部, 講師 (90580861)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | スピーキングテスト / ストーリーリテリング / 教室での評価 / 技能統合的スピーキング評価 / 評価尺度 / 発表文法評価 / SRST |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、中高生用のストーリー・リテリング・スピーキング・テスト(Story Retelling Speaking Test: SRST)とその評価尺度の開発に向けて、次の5点を実施した。 第1点目は、学会やワークショップに参加し、ストーリー・リテリングの理論部分になる技能統合的スピーキング評価に関する理論と評価方法に関して最新の情報や書籍を入手することに努めた。平成20年には中学校学習指導要領が、平成22年には高等学校の学習指導要領が発行されたが、どちらにも技能統合的活動と評価が求められていることが明記されている。このことから、中高の授業に沿った形で、これまで構築したリテリング評価のモデルに修正を加えた。第2点目は、中高生にSRSTを実施した際に、ターゲットとする文法事項が1つのテキスト内に2,3種類あった場合は、すべての種類の文法事項をリテリングすることは困難で、さらにピア評価を行う際にも、ターゲット文法事項を正確に評価できないということがわかった。そこで、ターゲット文法を1つのテキストに付き1項目として、同じ種類の文法項目が同テキストに2,3回使われるように作成し直した。それに伴って自己評価およびピア評価尺度も修正した。第3点目は、上記の結果に基づいて、同じ種類の文法項目が1つのストーリーに複数回現れるようなテキストを、SRSTとして使えるようにできるだけたくさん作成した。第4点目は、SRSTと外部スピーキングテストであるTSST(アルク社)を実施して、修正版SRSTの妥当性を確認した。そして、第5点目は、これまでの実験結果と成果を学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.中高生が学習する文法を1項目に付き1つのSRSTとして作成することにしたため、文法事項の数だけテキストを作成する必要があった。また、そのテキストがうまくSRSTとして機能するかを授業や学生の集まりで1つずつ試用して修正することになり、さらに時間を要した。 2.中高生の要望に応じて、評価する文法の数を絞り、かつインタラクティブなSRSTを作成することにした。そのため、評価尺度をさらに改良し、追実験を行う必要が出てきた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては次の5点を予定している。 第1点目は、ターゲット項目を1つに絞ったSRSTを使った場合、中高生のパフォーマンスやピア評価の信頼性などは、以前のバージョンと比べてどの程度良くなるかを調査する。第2点目は、SRSTをインタラクションのある活動にするために、リテリングの後にペアによる意見交換をする活動を含めた。それが予測した通りに機能するか調査を行う。第3点目は、SRSTを続けて2回行った場合、どの程度パフォーマンスが向上するかを調査する。第4点目は、上記の成果をまとめ、学会等で発表する。そして、第5点目は、SRSTの数をさらに増やし、問題集としてまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
中高生用のストーリー・リテリングテストを作成するには、難易度や文法項目にも配慮して、かなりの数のテストを作成する必要が出てきた。また、中高の授業でペア活動として使用できるようにインタラクティブな評価も取り入れる必要が生じた。そのため、当初予定していた、成果発表および報告書にまとめる費用等に利用することができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学習した文法項目が作成したスピーキングテスト(SRST)で測定できるか、また、そのパフォーマンスを作成した評価尺度でピア評価ができるかを、妥当性、信頼性の面から検証するための追実験およびその成果発表やまとめの報告書に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)