2012 Fiscal Year Research-status Report
英語リスニングが苦手な学習者への高周波音域弁別訓練:行動分析学的検証と教授法構築
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23520752
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
東矢 光代 琉球大学, 法文学部, 教授 (00295289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞邉 一近 日本大学, その他の研究科, 教授 (80209676)
石津 希代子 聖隷クリストファー大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10446180)
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Keywords | 高周波音声 / 英語リスニング / カテゴリー知覚 |
Research Abstract |
2年目であるH24年度は、H23年度に調査・収集した「高周波音声」に着目した市販教材の内、「バイオリスニング」の効果について調査した。同装置を通した音響特性変化について周波数分析したところ、ホワイトノイズでは1500Hz~5000Hzの強調(P1モード)、3000Hz~5000Hzの強調(P2モード)が確認された。英語音声に対する効果は、日本人学習者が不得意とするカテゴリー知覚を10個の音素を含む単語音声の弁別で測定し、同時に同じ単語音声の聞きやすさをP1-オリジナル、P2-オリジナル(提示順はカウンターバランス)の対立ペアに対して申告させた。これらのデータを参加者のリスニング習熟度(GTECリスニングスコアによる)別に分析した結果、先行研究と同じくカテゴリー知覚とリスニング習熟度の間には有意な相関が確認されたが、その関連性において明確な習熟度の効果は確認できなかった。またP1、P2モードの志向性については、カテゴリー知覚能力、習熟度による影響は見られなかった。そのため今後は、音素による高周波域強調の効果の違いを元にした音素による下位分析と、習熟度・カテゴリー知覚と高周波強調音声志向性について個人特性の同定を行なうと同時に、文単位の聞き取りに対する高周波強調音声の効果を検証する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は顔を突き合わせて作業をいっしょに行なう時間を最大限確保し、また研究の方向性が大きく進展するような基礎データが取れたことから、おおむね順調であると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度に引き続き、実際に研究代表者・分担者で会っていっしょに作業する時間を最大限に設け、次のデータ収集・分析に向けて研究を進める。役割分担は引き続き、東矢が眞邉の助言を受けつつ、実験計画を立案し、データ収集を取り仕切る。音声の分析・加工は主に石津が担当し、眞邉が補佐する。H25年度のデータ収集計画は、(1)H24年度と同じデータ収集を、より習熟度の低い学習者に対して実施する、(2)習熟度による英語の聞き取りやすさの志向性を、文単位で調査する、(3)高周波音声を聞くことの効果を、少人数のリスニングが苦手な学習者に対して、予備検証する、の3点である。また現在までに収集したデータの下位分析を行ない、成果を論文にまとめていく必要があるが、これについても代表者 東矢の統括の下に進めていく予定である。また12月には東京で、他の科学研究費による研究と合同での中間発表会を予定しており、その発表会に向けて今までの成果のまとめを行なう必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度大きな推進力となった沖縄での打ち合わせのための旅費の確保を、次年度も継続する。また12月の東京での発表会のための旅費も支出する。それ以外には、データの収集に必要な音声教材の購入や、高周波音声をうたう教材(装置)台数の確保が必要である。また実験協力者への謝礼と、教材作成の準備、データ入力について雇上げで対応することも想定される。さらに論文執筆と投稿に際し、英文校閲料が必要な場合は支出する。
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Research Products
(1 results)