2015 Fiscal Year Research-status Report
ミニチュア人工言語の学習によるメタ言語意識および脳活動の変化
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23520757
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
尾島 司郎 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (40404959)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2017-03-31
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Keywords | 子供の言語獲得 / 人工文法 / 早期英語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者が前年度に異動し、実験室などの環境をゼロから構築することになったが、単年の予算では、必要な実験環境の整備を完了できなかったので、今年度も引き続き実験室の構築に努めた。本研究では、以前からの実験結果から、被験者の学習行動には大きな個人差があることが明らかになってきた。特に小学生などの子どもでこの傾向が顕著だが、大学生などの大人でも見られる。今回用いている人工文法に関しては、全体としては大人のほうが子どもよりも学習のスピードが速いようであるが、個人レベルで見ると、学習効率のいい子どもは学習効率の悪い大人に遥かに勝っているケースも見受けられる。こうした個人差に関してさらに追究するために、言語学習能力(ここでは外国語としての英語の学習能力)の特に高い子どもに関する研究を進めた。また、本研究は人間の言語習得に関する基礎研究であるが、外国語教育への応用を目指しており、この目標に従って、研究成果の一部、特に大人と子ども比較研究などについて、外国語教育・外国語学習の視点から、招待講演などで成果報告を行った。小学校英語の教育に貢献するために、海外の児童向け英語教材・外国の小学校英語教科の分析を、子どもの言語学習能力の観点から進めた。小学校で英語が正式な教科として導入されることが現実的になったため、小学生の言語・認知特性からどのような教育システムが妥当なのか、小学校英語教員養成はどうあるべきなのか、といった応用的な側面に関しても研究した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の異動もあり、それまでに生じていた遅れを取り戻すに至らないうちに、小学校英語の教科化計画に関連して所属学部の組織改編があり、基礎研究に回せるエフォートが大幅に減ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験を発展させた新たな実験を実施する。新しい分析も加えながら、論文の投稿をやり直す。これまでの成果や新しい実験結果を、学会やシンポジウムで発表する。研究の教育応用を目指す。
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Causes of Carryover |
大学組織改編・教育改革にエフォートを割かれて基礎研究が遅れたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き実験実施のための人件費・謝金、消耗品・図書購入、旅費、研究環境の整備などに使用する。
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Research Products
(5 results)