2013 Fiscal Year Annual Research Report
早期英語から中学校英語への架け橋:文字教育を取り入れた指導法と教材モデル開発研究
Project/Area Number |
23520758
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
小野 尚美 成蹊大学, 文学部, 教授 (10259111)
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Keywords | 早期英語教育 / Reading Recovery / Emergent Literacy / Roaming around the known |
Research Abstract |
平成25年度には、都内の英語教室で、Reading Recovery Program(以下、RRプログラム)の理念と指導方針を基に開発した小学生のための英語指導法を実践し、その授業観察とテストで効果を測ってみた。 この英語教室では、平成24年の2学期からRRプログラムの指導方針に沿ったカリキュラムで英語活動を行っている。平成24年度は実際にRRプログラムで使っていた英語教材を使って英語を教えたが、平成25年度からはOxford Reading Treeのレベル1の教材を使って授業を行った。教材を替えた理由は、音声の訓練をするためにCDのついた教材を使う方が、音と文字の関係を教えるために適しているということであった。RRプログラムで使われている教材は英語を主要言語として学んでいる児童のための教材であるため、特にCDはついていなかった。 RRプログラムのやり方に沿って、1)音素認識、2)読み、3)文構造理解、4)書く活動、5)新しい教材を読む、を活動の主軸として授業を展開していった。特に読みのところでは、躓いた単語の読みのところで音と文字の関係について教え、躓いた箇所を集中的に音素認識活動で復習をした。テキストは、音、文字、意味理解をさせながら音読をし、最後にはまとめのテストを行った。 テスト結果を分析してみると、次のようなことが分かった。このプロジェクトが始まって間もなく公立の小学生に英語の音声、文字、意味の理解を測定する単語テストを行った結果と同様に、日本の小学生児童にとっては、音声と意味の結びつきが一番強く、文字と音声、また文字と意味のつながりは弱いということが分かり、日本の児童の英語学習における弱点が浮き彫りになった。また、授業観察から、児童が苦手とする音と文字の組み合わせがあることも分かり、今後文字と音声、意味の理解を助ける効果的な方法を模索する必要がある。
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