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2011 Fiscal Year Research-status Report

英語の音読とシャドーイングがスピーキングに及ぼす効果

Research Project

Project/Area Number 23520760
Research InstitutionHosei University

Principal Investigator

飯野 厚  法政大学, 経済学部, 准教授 (80442169)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords音読 / シャドーイング / スピーキング / イントネーション / 基本周波数 / 流暢さ / 正確さ / 複雑さ
Research Abstract

本研究は日本人大学生を対象とした英語の音読およびシャドーイングの練習がスピーキング力に及ぼす影響を探ることを最終目標としている。初年度は、大学生約30名による音読、シャドーイング、およびスピーキングの発話データを得た。これらのデータ分析のうち、本年度の前半は音読データの分析に注力した。具体的にはコンピュータソフトによる音声分析結果と人間が聞いて行う評価の関係について分析した。その結果、韻律的特徴であるイントネーションの評価と基本周波数(F0)の振幅幅の間に有意な相関関係が存在することを確認した。 後半はシャドーイングの人的評価と、5語に1語の割合で採点ポイントを設けたポイント採点法との比較を行った。結果的に人的評価とポイント法の間には極めて高い相関が見いだされた。 さらに、スピーキングデータ分析を行った。まず、情報量の過不足と発話のわかりやすさを指標とした人的評価を行った。その後、各協力者の発話を文字に書き起こして、流ちょうさ(1分間あたりの分節数、および語数)、正確さ(誤りのないideaユニット数)、統語的複雑さ(1ユニットあたりの語数)、語彙的複雑さ(1語あたりの分節数)を暫定的な指標として算出した。 音読評価、シャドーイング評価(及びスコア)、スピーキング評価(及び下位項目の数値)をもとに相関分析を行った結果、おおむね以下のような結果が得られた。音読とシャドーイングには弱めの相関、音読とスピーキングにはほぼ相関がない。シャドーイングとスピーキングには中程度の相関が見られた。とりわけ、スピーキングにおける流暢さとシャドーイングの評価の間に高い相関が確認された。現在論文化を進めている段階である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

1年目は音読、シャドーイング、スピーキングのデータを同一の被験者集団から採集し、3者の関係を探ることであった。具体的な計画(1)~(4)について成し得た点と、成し得なかった点を述べる。(1)音読データを収集し、音読の評価方法における一般化可能性理論を検討する:一般化可能性理論に照らすための複数の評価者による評価データは2名分を集めたが、十分な人数を集めることはできなかった。このため、評価者間信頼性係数を算出した上で、音声分析結果との比較分析を行った。(2)シャドーイングのデータを収集し、評価方法を検討する(ポイント法、人的総合評価法)。また、人的評価に加えてソフトウェアを利用した音声学的なデータ処理結果との比較も行う:ポイント法と人的評価法の比較を行うことができた。結果として高い相関を得た。しかしながら、両者を行うことだけでもかなりの時間と労力を要した。そのため、シャドーイングの音声分析までは手が回らなかった。(3)スピーキングデータを収集し、分析の手法も研究する:コンピュータによる録音機能を利用してモノローグとしての絵描写課題の発話データを収集し分析を行った。人的評価を5段階で実施した上で、発話データの分析方法としてCAF測定(英語の複雑さ(Compelxity)、正確さ(Accuracy)、流暢さ(Fluency))を採用した。これは、学習者言語のデータを、多様な言語分析的側面から数量化する試みである。まだ、不十分な点も残るが暫定的に数量化することができた。ネイティブ教師と日本人学習者による1対1の対話データも収集したが、データ分析に予想以上の時間と労力を要するため未分析となっている。(4)3種類のデータ集計を行い、統計的に関係性を明らかにする:この点においては、一定の結果を得たが、共分散構造分析など精緻な統計分析を要する。

Strategy for Future Research Activity

2年目は当初の目的である英語の音読およびシャドーイングの練習がスピーキング力に及ぼす影響を実際に探っていく。いわゆるクラスルームリサーチを行う。具体的には以下の内容を予定している。(1)日本人大学生を対象として、音読+シャドーイング+スピーキングタスク群とスピーキングタスク群の2群を設け、長期的な処遇差によるスピーキング力への効果を検証する。処遇の前後に事前・事後の音読、シャドーイング、スピーキングのデータ採取と習熟度テストを行う。(2)音読スピーキングデータの詳細な分析を行い、正確さ・流ちょうさ・語彙的複雑さ・統語的複雑さとどのような関係を示すのか検証する。これらと同時に、音読データの音声分析を行い、その数値とシャドーイングのスコア、およびスピーキングのスコアなどとも関係を探りたい。(3)スピーキングデータにおいて絵描写タスク以外の対話タスクにおけるデータ分析も加え、話すことと英語を声に出す再生活動としての音読とシャドーイングとの関係をさらに探索する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

(1)音声データ採集のための録音および分析に関わる電化製品(器具)などの購入(2)研究協力者への交通費および音声評価の実働に関わる謝金:人的音声評価の一般化可能性理論による検証のため複数の評価者としての研究協力者を要するため(3)発話データ採集協力者への謝礼;英語によるインタビューの録音・録画(4)発話データ分析法および研究法に関する情報収集のための旅費:学会等への参加

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 教師による音読評価・音声分析・英語習熟度の関係2012

    • Author(s)
      飯野厚・籔田由己子
    • Journal Title

      中部地区英語教育学会紀要

      Volume: 第41号 Pages: 39-44

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 短期大学における英語プログラム改革の試み-個別・少人数教育による発信重視の指導とeラーニングの活用2012

    • Author(s)
      籔田由己子・村田信行・トーマスジョエル・中村洋一・飯野厚
    • Journal Title

      清泉女学院短期大学研究紀要

      Volume: 第30号 Pages: 71-85

  • [Presentation] How to make self-access e-learning successful, a case of EFL course renovation2011

    • Author(s)
      Atsushi IINO and Yukiko YABUTA
    • Organizer
      EUROCALL 2011
    • Place of Presentation
      The University of Nottingham
    • Year and Date
      2011年9月1日
  • [Presentation] 音読評価と音声分析の関係2011

    • Author(s)
      飯野厚・籔田由己子
    • Organizer
      中部地区英語教育学会
    • Place of Presentation
      福井大学
    • Year and Date
      2011年6月26日
  • [Presentation] Effect of self-revising on picture narratrion task2011

    • Author(s)
      Atsushi IINO
    • Organizer
      4th Biennial International Conference on Task-Based Language Teaching
    • Place of Presentation
      The University of Auckland
    • Year and Date
      2011年11月19日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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