2013 Fiscal Year Annual Research Report
外国語学習者の動機づけを高める実践―協同学習を用いて―
Project/Area Number |
23520763
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
阿川 敏恵 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90409805)
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Keywords | 動機づけ / 外国語(英語)学習 / SDT理論 |
Research Abstract |
24年度までにおこなった本科研研究結果から、自己決定理論 (SDT) (Deci & Ryan, 2002)の理論的枠組みと、日本における実際に齟齬があるのではないかとの疑問をいだくようになった。そこで、平成25年度の研究は日本人大学生の動機づけが、SDTに沿っているかどうかの検証をおこなうことを目的とした。SDTによると、人には生得的に備わっている心理欲求(自律性、有能性、関係性)があり、それらが充足されると内発的に動機づけられる。本研究はこれら3欲求の充足が、日本人英語学習者の動機づけに及ぼす影響に注目して調査をおこなった。具体的には、廣森(2006)の質問紙を用いて大学生英語学習者317人を対象に調査を実施し、そこで得られたデータを用いて探索的因子分析を行なったのち、構造方程式モデリング(SEM)で理論を検証した。その結果、1) 有能性の欲求充足が英語学習に対する動機づけに大きく影響している、2) 関係性の欲求充足が動機づけに影響を与えている、3) 自律性への欲求充足は、英語学習への動機づけに負の影響を与えていることが示された。上記結果のうち、1), 2)は、SDTの理論に沿ったものであったが、3)は全く異なるものである。この結果と、アジア文化圏の学習者を対象に行われた先行研究の結果から、アジア文化圏とSDTが構築された文化圏では、自律性に対する捉え方が異なる可能性が示唆されるとの結論に至った。 この結果は平成25年11月にマレーシアで行われた学会で発表した。また、論文にもまとめて現在審査を受けているところである。
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Research Products
(2 results)