2011 Fiscal Year Research-status Report
アウターサークル英語との接触が日本人の英語学習に与える教育効果の検証
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23520766
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
吉川 寛 中京大学, 国際英語学部, 教授 (90301639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮 富子 岡崎女子短期大学, 幼児教育学科, 教授 (40205513)
倉橋 洋子 東海学園大学, 経営学部, 教授 (10082372)
塩澤 正 中部大学, 人文学部, 教授 (10226095)
下内 充 東海学院大学, 人間関係学部, 准教授 (50249215)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | アウターサークル英語 シンガポール |
Research Abstract |
平成23年度の研究計画では2つの研究項目を立てた。第一は「国際英語論やアウターサークル英語に関する先行研究の分析」である。これに関しては、全員で定期的(月1回)に研究会を開催し、先行研究の分析を行った。また、その研究成果の一部に関し2011年9月に福岡で開催されたJACET第50回国際大会で「Research Activities of SIG on World Englishes and Cross-Cultural Understanding」のテーマでポスター研究発表を行った。 第二の研究項目は「アウターサークル英語の英語教育への導入方法や導入レベルに関する研究」である。これに関し、2011年8月中旬に吉川が、また8月初旬に小宮が、アウターサークル地域に含まれるシンガポールでの学術調査をそれぞれに行った。吉川は、日本人英語学習者(大学生)のシンガポールでの語学研修の実施状況を調査し、日本人学習者がアウターサークル英語と接触する期間や程度に関して有意義な知見を得ることができた。小宮は、アジアのEFL国であるベトナムや中国等からシンガポールへ英語学習に来ている留学生を対象にアンケート調査を行ない、「シンガポール英語への低い評価」「英語の英米文化からの自立の重要性への認識」「シンガポールでの英語学習の利便性への肯定的姿勢」「非母語話者教師による英語指導への両義的態度」など、アウターサークル地域で英語を学ぶアジア人の認識に関する重要な調査結果を得ることが出来た。この小宮の研究調査は、2012年2月に開催されたJACET中部支部定例研究会で発表された。 アウターサークル英語の言語学上の諸特徴や文化背景の整理も第二の研究項目に含まれるが、これに関しては全員が文献資料の分析を担当し、上記のJACET第50回国際大会におけるポスター発表の中で中間報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究計画は2つの大きな研究項目から成っている。一つは「国際英語論やアウターサークル英語に関する先行研究の分析」で、もう一つは「アウターサークル英語の英語教育への導入方法や導入レベルに関する研究」である。一つ目の研究項目は予定通り達成されていると考えられる。科研費で必要な先行研究資料を購入することが出来、それを全員で手分けして分析を行うことが出来た。そして、その成果を大学英語教育学会で発表することが出来たことが一つ目の研究項目の達成理由と言える。 二つ目の研究項目であるが、この項目の中で最も重要なアウターサークル地域での学術調査が出来たことは大きな成果であると言える。日本の英語教育がモデルの一つとしているシンガポールでの英語教育をアウターサークル英語の観点から調査を行い様々な重要な知見を得ることが出来た。特に、小宮の調査から得られた知見は、これまでに知られていない知見であり非常に貴重であると考えられる。また、日本以外のEFL圏の英語学習者のアウターサークル英語への認識調査は当初の研究以上に進展していると言える。アウターサークル英語の言語学的特徴の整理も二つ目の研究項目に含まれるが、これも一つ目の研究項目と同様に、科研費で必要な先行研究資料を購入することが出来、全員で分析することが出来た。そして、その成果を大学英語教育学会で発表することが出来た。 しかし、国際学会などにおいて研究成果の中間発表を行うことも研究項目に挙げたが物理的、時間的問題で達成できなかったことは悔やまれる。このことで研究項目の100%達成が出来なかったが、総体的に見て二つ目の研究項目はかなりの程度達成されたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は、基本的には平成23年度で得られた研究成果をベースにしての推進を予定している。平成24年度にも挙げた研究項目「アウターサークル英語の英語教育への導入方法や導入レベルに関する研究」では、次の二つの研究に焦点をあてる。「アウターサークル英語を用いた大学英語教材や補助教材の開発」と「アウターサークル英語に対する日本人英語学習者の一般的認識とOuter Circle英語に接触した日本人学習者の英語認識についての調査」である。前者に関しては、アウターサークル地域で実際に使用されている英語教材を出来るだけ多く収集して、我々の教材開発のための参考としたい。更に、試験的に教材を作り実際の学習に使用することも視野に入れ、平成25年の研究最終年度に予定している教材作成へと繋げたい。後者に関しては、再度シンガポールでの調査を予定している。そして、日本人英語学習者年が、アウターサークル英語の接触前と接触後に英語への意識がどのように変わったかを対照分析する。 三つ目の研究項目「アウターサークル英語との接触が日本人の英語学習に与える教育効果の検証」は、二つ目の研究項目の延長に位置すると考えられるが、アウターサークル英語と接触した日本人英語学習者の分析だけでなく、Inner Circle英語圏への日本人留学生へのアンケート調査分析を加えて対照的な研究を進めたい。 以上のような研究によって得られる成果を様々な機会を通して発表を行う予定である。国内、国外の複数の学会での研究発表だけでなく、研究誌や研究紀要などに研究論文として積極的に成果を発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額として387,666円が生じたのは、当初予定していたオーストラリアで開催の国際学会での研究発表が物理的、時間的問題で出来なくなったことに起因する。具体的には、学務の発生により学会出席のスケジュールに支障をきたしたことである。この次年度使用額387,666円と平成24年度交付予定額1,200,000円並びに平成25年度交付予定額1,100,000円を合わせた2,687,666円の使用計画は以下のようである。 先ず、「物品費」は当初の予定通り平成24年度420,000円と平成25年度420,000円を合わせた840,000円を予定している。「旅費」は、当初の平成24、25年度の予定額1,300,000円に、平成23年度で使用できなった387,666円を加えた1,687,666円を予定している。特に、平成24年度に、次年度使用額を含めた旅費の使用に務め、平成25年度の交付予定額の変更は避けたいと考えている。「人件費・謝金」および「その他」は予定通りの使用を考えている。
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Research Products
(7 results)