2011 Fiscal Year Research-status Report
外国語学習における成功と失敗に対する台湾人大学生の原因帰属意識
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23520770
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
ゴーベル ピーター 京都産業大学, 文化学部, 教授 (40329925)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | attribution theory / motivation / ESL / student attitudes / learner psychology |
Research Abstract |
これまで日本、タイおよびマレーシアの大学生を対象に、1)学習者の原因帰属は、学習の結果(成功・失敗)、原因帰属カテゴリーによって異なるのか。2)学習者の達成行動と原因帰属には相関関係があるのか。3)上の2点について、文化的な差異はあるのか。4)原因帰属理論が提唱する原因帰属要因また次元は、対象となる国の英語学習者にもあてはめることができるのかについて調査を行ってきた。 その結果、調査対象となった全ての国の大学生は成功の原因を外的な要因に求めるのに対して、失敗の原因は内的な要因に求めることがわかった。しかしながら、日本の大学生は、マレーシアおよびタイの大学生よりも、努力が足りないことによって失敗したと考える傾向が強いこと、タイの大学生は、成功したのは教員やクラスのおかげであると考える傾向が強いことなど文化的な差異も見受けられた。これら調査の結果は、タイで開催されたSEAAIR国際学会において発表した。 さらに、マレーシアを中心として行った調査では、英語学習体験における成功と失敗の原因を求める際、マレーシアの都市部出身の大学生と地方出身の大学生の間で、その原因帰属プロセスに違いがあるかどうかを検証した。分析の結果、どちらのグループもその大多数が全国英語検定試験で好成績をおさめているにもかかわらず、都市部出身者は、英語学習において成功をもたらした要因は自分の能力にあるとするのに対して、地方出身者は、反対に失敗の原因を自分の能力不足によると考える傾向があることがわかった。また、都市部出身者の方が、より適切な学習方法を習得し、自律した学習者であることも示唆された。この調査結果はJIRSEA journalや京都産業大学の紀要において発表した。 これらの調査結果をふまえ、現在は既に収集したデータの整理や更なる分析、また台湾での質問調査の準備を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画は多少遅れているが、それは、日本と台湾の大学のスケジュールが異なることにより、第一回目の会議の開催がずれこんだためである。
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Strategy for Future Research Activity |
台湾の研究協力者との打ち合わせを引き続き行い、既に日本で実施した質問調査を基に、台湾の大学生に対する質問調査を作成する。その後、台湾において試験的に質問調査を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は主に台湾への渡航費および国際学会への参加にかかる費用として使用する。加えて、質問表の印刷費および郵送費にも使用する。
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