2011 Fiscal Year Research-status Report
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23520771
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
河原 俊昭 京都光華女子大学, 人文学部, 教授 (20204753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 有香 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40341226)
徳地 慎二 宮崎産業経営大学, 経営学部, 准教授 (70197870)
岡戸 浩子 名城大学, 人間学部, 教授 (70352896)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 観光(韓国) / 教科書 / 観光アセスメント |
Research Abstract |
大学における観光英語教育に対応したカリキュラムを構築して教材を開発することが目的であった。成果に関しては以下のように4点にまとめて報告したい。 (1)理論構築のために、いくつかの学会に行き情報の収集に努め、また関連書籍の購入を行った。国外では、ドバイ、韓国を訪問した。また、第37回全国英語教育学会 山形研究大会にて、「大学初年次における準専門語彙の理解度」を発表した。また、ICTATLL 7th International Conference 2011(タイ国)にて、Bridging the Gap between General English and Academic Englishを発表した。さらには、5th Conference of Formulaic Language Research Network(オランダのTilburg大学)にて、British National Corpusに基づいた発表を行った。これらにより、いくつかのフィードバックが得られ、理論の精緻化を行うことができた。(2)観光ニーズの調査:日本の観光地とそこが提供する観光情報がどのように外国人の目に映るか、インタビューを通して、確認をした。(3)教材の開発とテキスト執筆:出版社と提携のもとに、テキストの執筆を始めている。観光や異文化交流を意識した教材として、学習者の視線に立ち、さらに観光という事象への関心が高まるような教材の開発に取り組んでいる。完成は24年度中を予定している。(4)観光地での観光情報の収集:観光地を訪れて言語情報の提供の仕方を調査を行った。国内外、とりわけ京都、大阪、東京、金沢などの国内の観光地、ドバイ、韓国、オランダ、タイなどの国外の観光地における、外国人観光客への観光情報の提供の仕方を観察して、関連する資料を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大地震による科研費の交付の遅れにより、当初に想定していた計画の開始が難しい状況にあった。しかし、交付後に、研究代表者の大学に全員が集まり、実施計画を確認して遅れを取り戻すべく丹念な打ち合わせを行った。そのために、計画の遅れに関しては、かなり取り戻すことができた。しかし、個々の研究者は自分の研究に偏りがちであり、互いの研究が有機的につながった体系的な研究にまでは進んでおらず、この点は今後の課題である。 なお、観光地での外国語表示例の収集はデジタルカメラなどで丹念におさめており、かなりの量のサンプル数はそろっている。この分野に関しては、当初の想定よりも進んでいると言えよう。全体としては、「おおむね順調に進展している」と判断できよう。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の方向としては、以下の4点を中心に進めていきたい。(1)まず、観光アセスメントの理論研究を継続するとともに、本研究の中心となる「観光英語の授業法の開発と教材」に力を注ぐ。現在、あるテキスト会社のテキストを執筆しており、その執筆を通して、理論と実践の理想的なむすびつきを追求したい。具体的には、本文の選択、ディクテーションの内容、練習問題の作成などを通して、学生の英語力を最大限に伸ばす教材の開発を行ってみたい。(2)理論構築を進めるために、学会などで発表して厳しい批判にさらされるなどをして、フィードバックを受ける必要性がある。JACET全国大会(愛知教育大学)で研究成果の中間発表を行ったり、また韓国で行われる2012 Pan-Korea English Teachers Associationに参加して、韓国における同様な研究の動向を探る予定である。(3)さらには、石川、関西の観光地への訪問と外国人観光客へのインタビューを行い、関連する資料の収集を行う予定である。観光情報の提供者の目線と観光情報の享受者の目線は当然異なるが、その目線が一致するような観光情報が望ましい。その点に留意して、多くの外国人観光客向けの掲示を分析して、その掲示された英文の文法的な適格性、デザインなどの視点から分かりやすい掲示、外国人観光客にふさわしい掲示(観光情報)であるかなども探っていきたい。(4)観光系大学を訪問して、授業を参観して、そこからさまざまな知見を取り入れたい。また授業担当者にインタビューして、授業を裏付ける理論的な根拠を確認してみたい。まだ、できれば、その授業をビデオに収めることで、優れた授業実例の蓄積に努めてみたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費として50千円を計上する。様々な場で収集したデータの蓄積をおこない、またHPにて発信していくために、ハードディスクを購入する予定である。また、旅費として900千円を見込んでいる。観光系の大学の授業の視察、観光に関連する学会での発表、観光地の視察など、いくつかを予定している。人件費・謝金として30千円を見込んでいる。その他では、220千円を計上する。それは、観光アセスメントの理論構築のために、英語教育、観光英語、観光などの関連図書を購入して、またプリンターインクなどの消耗品の購入を行いたい。
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Research Products
(6 results)