2012 Fiscal Year Research-status Report
大学初年次における英語リメディアル教育のあり方:習熟度と学習動機からの考察
Project/Area Number |
23520772
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
田中 貴子 同志社大学, 文学部, 准教授 (50434676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 信彦 同志社大学, 文学部, 教授 (30281736)
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Keywords | 英語教育 / 学習意欲 / リメディアル教育 / 混合研究法 / 質的研究 |
Research Abstract |
大学生の低学力化が深刻化する中、日本の諸大学は英語のリメディアル教育を提供することで対策を講じようとしている。学力面とともに、学力向上維持の原動力である学習意欲(モチベーション) との観点からリメディアル教育の在り方を考察することは重要である。 本研究は英語の習熟度と英語を学ぶモチベーションの関係性を探るとともに、低学力者層のモチベーションの種類やパターンを質的に長期調査し、学力面と意欲面の向上のため、その両側面に配慮したリメディアル教育の在り方を考察することを目的とした3年計画の研究である。2012年はその二年目にあたる。 本年度は2011年度終わりに収集したインタビューデータの分析を始めた。と同時に当初の研究目的である長期的研究を実施すべく2011年に実施したアンケート((1) motivation to learn L2, (2) Motivation to read in L1(Japanese) そして、(3) Motivation to read in L2(English)を含む)を再度2012年度春学期に新一年生に対し実施した。その後の分析も昨年度同様TOEFL-ITPのスコアとの関係性をみるべく統計分析を行った。その結果に基づき長期研究への参加者へ協力依頼を試みたが、残念ながら協力は得られなかった。 2011年度に収集したインタビューデータの分析に関しては、上位グループと下位グループの比較を行うとともに各々研究協力者のケースに対して詳細な考察を続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では2012年度は一年目に収集したデータ分析、そして発表準備の予定であった。しかしながら、上述の通り、一年目と同じデータ収集を行ったため、計画全体としては少々遅れ気味となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は、これまでに収集した量的データ及び質的データ分析の総まとめと行う。 量的データ(2011年度分と2012年度分)については、学年ごと、そして学力ごとの分析を進め、それぞれの特徴等を浮き彫りにしていく予定である。また、質的データに関しては、高英語力・高モチベーションの学習者4名と低英語力・低モチベーションの学習者3名のこれまでの学習経験、そして英語、英語学習に対する態度等について考察、そしてそれぞれのグループの特徴と各々のケースに対する詳細な考察の分析をさらに進めていく。 また、学会等で発表するとともに論文投稿の準備を行うとともに、当初目的としていた長期的研究への協力者が見つからなかった理由を検討し、どのような形で低学力・低モチベーションの学習者の学習を支えていく事が必要かを検討するための研究計画の在り方を考えていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終年度となる2013年度においては、2011, 2012年度に収集したデータ分析をさらに進め、学会発表を積極的に行うとともに、学会発表及び論文投稿の準備を進めていく。
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