2011 Fiscal Year Research-status Report
医学英語教育におけるニーズと現状のギャップ―多角的分析を通じて
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23520775
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
中川 一成 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (40198031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 英理 (田中 英理) 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40452685)
中村 仁紀 大阪医科大学, 医学部, 助教 (30582564)
坂田 直樹 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (70581114)
鈴木 幸平 神戸市外国語大学, 外国語学部, 非常勤講師 (70596600)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 外国語教育 / 医学英語 / ニーズ分析 / 統計 |
Research Abstract |
平成23年度は以下の三点を中心に研究を進めた。(1)TOEIC等による学力調査:3、 4年生にTOEICを実施し(それぞれ24年1月、23年9月)、1年生にはCASECを実施した(23年10月)。(2)アンケート項目作成:「大学卒業時までに身につけておくべき英語の能力」について「非常に必要だと思う~全く必要だと思わない」までの4件法で問う形式で作成した。項目は、一般的な英語に関する技能(スピーキング、リスニング、リーディング、ライティング、インタラクティブスキル)、及び医学に関する英語とした。一般的な英語技能に関しては、TOEICのCan-Doリストに基づいて作成した。医学に関する英語に関しては、タスク・シーン別に代表者、分担者及び連携研究者が作成した。 (3)パイロット調査・項目の精査:1、4年生を対象に実施し、一般的な英語に関する項目と医学英語に関する項目に関して、2学年分(約200人)のデータを取った。その後、パイロット調査の結果を間隔尺度に変換(4件法の「非常に必要」~「全く必要だと思わない」を1. 645/0.385/-0.385/-1.645に数値化)し分析を行った。その結果として削除・修正する必要のあるアンケート項目があることがわかった。また、アンケートに答えた医学部生の現在の立場からは答えにくい項目がいくつかあったため、それらの文言の修正を行った。医学英語に関する項目についてはタスク・シーン別よりも技能別で組み換える方が、分析上より有用な回答を得られるのではという意見になった。したがって、項目の精査を24年度に行う必要がある。なお、分析を行うにあたり、統計の勉強会を行った(11月)。特別講師の松井理直氏(大阪保険医療大学)のもと、データ処理の基本からクラスター分析の方法までを統計ソフトRを用いて学んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度は、TOEIC等による客観的な学力データの収集とアンケートのパイロット調査の実施などにより、24年度以降の本調査のための準備・事前調査を十分進めることができた。現時点で達成できていないものとしては、教員・医師を対象にしたパイロット調査であるが、これについては24年度前半期中に実施予定であり、研究の推進上問題ない。
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Strategy for Future Research Activity |
学力調査については、23年度に引き続き1年生全員(約120名)にCASECを、3、4年生全員(約120名×2)にTOEICを実施する。加えて、3、 4年生の希望者60名程度を対象にTOEIC SW(Speaking・Writing)テストを実施する予定である。これにより、4技能全てに関する学生の英語熟達度を測定する。アンケート調査については、修正・精査する点として、(1)医学英語に関する項目を技能別に分ける(上記のとおり)、(2)パイロット調査時の4件法に「どちらでもない」を加えた5件法にする、(3)「卒業時までに身につけておくべき英語の能力」だけでなく、「現時点で自分ができるかどうか」の項目を入れる、ことが挙げられる。アンケート項目が完成した後、まず医学部教員(医師含む)向け(約10名)にパイロット調査を行い、その後学生向け(約120名×3学年)と教員向け(約30名)の本調査を行う予定である。本調査の結果と学力データを取った後、両者の相関性を統計ソフトを用いて分析し、その結果を学会発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費:Casec 390,000円(1年生全員が対象)、TOEIC SW(Speaking・Writing) 630,000円(3・4年生の希望者60名が対象)、その他の物品費(書籍、機器)120,000円。学会出張費 250,000円。人件費 30,000円。その他 16,698円。次年度使用額の236,698円は、海外出張費と、購入予定の書籍・機器に使用するために繰り越した。
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