2012 Fiscal Year Research-status Report
コーパスを活用したフレイジオロジーに基づく英語指導法の開発と検証
Project/Area Number |
23520776
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
梅咲 敦子 関西学院大学, 商学部, 教授 (20269963)
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Keywords | コーパス / フレイジオロジー / ESP / 類義語研究 / 誤用分析 |
Research Abstract |
本研究では、究極目標として「コーパスと辞書で自立して楽しく英語使用ができるようになる」ことを設定し、個別目標に、 (1)コーパスを利用した英語研究のための指導法と教材の開発と (2)フレイジオロジーに基づく英語教育の推進を掲げている。(1)を達成するために、(1a) ESP: 学術論文作成へのコーパス利用と (1b) EGP: 大学英語教育一般へのコーパスの導入についての研究と実践を行う。 本年度は、1年目に引き続き、(1a)の大学院生の修士論文作成過程の英語ネイティブチェックによる誤用分析資料の収集を続けた。(1b)大学1年生一般英語で使用される表現を取り上げ、コーパスを利用した英語学習の実践を続けた。一例として、日本人英語学習者の誤りやすい前置詞 on, over, toについて、コーパスで各前置詞が後続する高頻度の名詞を抽出させ、effect/ influence/ attack/ report + on, win/ control/ controversy + over, approach/ access + to の共起関係を見出させ、コーパスによる発見学習の面白さを体験させた。(2)の一環として、共起関係から類義語の本質的意味に迫る研究を行った。This paperに続く動詞 investigate/ examines/ explores/ analyses の分析結果をまとめた。さらに、受動形を含む表現を、これまで軽視されがちのディスコースやレジスターとの関わりから捉えて分析した。例えば、I am sorry for causing you inconvenience/ for any inconvenience caused/ for any inconvenience this may causeにおけるコミュニケーション上の問題を頻度との関係で論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
教育面では各種実践を行ってきたが、指導書(教材)にまとめる作業が遅れている。また、自作1億語強のコーパスデータを利用した分析と教育への応用が進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度としてコーパスを英語教育に活かすための指導書(教材)の刊行を行うとともに、自作1億語強のコーパスデータを利用した分析と教育への応用成果を発表する。引き続き、誤用分析の充実とフレイジオロジーに基づく英語使用実態に関する基礎研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めるためには、次年度も(1)誤用分析資料を増やすための英語論文チェックのためのネイティブスピーカー専門家に対する謝金、(2)大規模自作コーパス分析のための解析ソフトと既存の大規模コーパス利用のための年間登録料(Sketch Engine, WordbanksOnline)への支出を中心に、学会発表のための出張旅費、PC周辺機器、研究成果印刷費の支出を必要とする。
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