2012 Fiscal Year Research-status Report
話しことばにおける音声生成・認知プロセスの仕組みと英語のリスニング
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23520783
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Research Institution | Chugoku Junior College |
Principal Investigator |
竹野 純一郎 中国短期大学, 英語コミュニケーション学科, 講師 (20585765)
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Keywords | 英語のリスニング / 認知プロセス / リピーティング / シャドーイング / 逐次通訳 / 音声生成 / 発話速度 / ポーズ |
Research Abstract |
平成24年度は、認知行為としてのシャドーイングとリピーティングの機能の比較を研究目的とした。参加者の英語運用能力とシャドーイング力、英語リピーティング力の関連を調査するために、プレ・ポストテストを行った。同時に、参加者のシャドーイング力と英語リピーティング力も事前・事後で測定した。シャドーイング力の測定では参加者の録音音声を用いたが、すべての参加者の音声を一語一語確認するのは現実的に難しいと判断し、チェックポイント法を採用している。英語リピーティング力の測定も録音音声を用いている。 検証は、シャドーイング練習をするグループとリピーティング練習をするグループに分けて行った。練習についてであるが、大学の半期(15回)の講義で行った。素材は授業用のテキストなどを用い、各回の授業で30分から45分程度練習に当てた。シャドーイング練習をするグループは復唱方法としてシャドーイングばかりを行い、リピーティング練習をするグループは復唱方法としてリピーティングばかりを行った。英語が専門の学科では他の要因が多く含まれるので、参加者は英語が専門でない学科の学生とした。 まだ、最終的にデータをまとめ分析するまでには至っていないが、いずれも効果があると考えられている英語の復唱方法であるシャドーイングとリピーティングに何らかの効果の違いがあるならば、今後の教育実践において効果的なリスニングの指導方法を示唆することができ意義があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度・24年度と、所属している学会(中国地区英語教育学会)の事務局長としての仕事が終始予想以上に忙しかったため、本研究に十分な時間を割くことができないことが多かった。特に平成24年度については、年度末に事務局業務の引き継ぎがあり時間を取られたため、研究の実施はできたもののデータをまとめ分析するまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策であるが、平成24年度に実施した研究内容を、データ分析ができた段階で学会発表を行い、論文にまとめる予定である。 平成25年度には、ポーズを利用したリピーティング練習と逐次通訳練習の効果の比較、検証を行う。 最終年度の3年目であるので、今までの研究結果をまとめ、英語音声の生成・認識のメカニズムを解明し、音声の復唱・保持能力、それに加えて音声を瞬時に意味解釈することが英語リスニングには重要であることを明らかにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、平成24年度と同じく、異なる学習条件が日本人英語学習者にどのような影響、結果を及ぼすのか検証するために、日本人英語学習者向けに開発された「ACE(=Assessment of Communicative English)テスト」(ELPA:英語運用能力評価協会)をプレ・ポストテストとして用いることを計画している。多量の音声データを測定、確認するために、研究補助員の謝金を計上した。 なお、研究全般にわたって多量の音声データを取り扱うため、記録・保存用として音声記録に関連する機器や記録媒体の予算を計上した。 また、研究に関する情報収集や成果報告のために参加する学会への旅費、論文発表の際に必要な諸経費も計上している。
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