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2011 Fiscal Year Research-status Report

近代黒海国際関係史の基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 23520794
Research InstitutionHiroshima Shudo University

Principal Investigator

黛 秋津  広島修道大学, 経済科学部, 准教授 (00451980)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2015-03-31
Keywords黒海 / オスマン帝国 / 多国籍 / 黒海通商 / 国際関係史 / 東方問題
Research Abstract

初年度である本年度は、まず近代黒海国際関係史に関してこれまでに行われた研究を収集し把握することに努めた。国内の大学図書館等で、欧文雑誌論文を中心に、18-19世紀の黒海通商ならびに黒海周辺地域をめぐる西欧・ロシア・オスマン間の外交関係に関する文献を集めた。また同様の内容の研究書を購入して当研究課題の背景を広くおさえ、さらに夏にトルコで調査を行った際、オスマン帝国の黒海支配とヨーロッパ列強の黒海進出初期におけるオスマン・ヨーロッパ諸国間外交に関するトルコ語の研究文献を収集した。これらの先行研究の収集と調査を通じて、今後明らかにすべき問題点を洗い出し、研究の方向性について考察を行った。一次史料に関しては、18・19世紀に黒海周辺地域を旅したヨーロッパ人による旅行記や、同じくヨーロッパ人により同時代に書かれた黒海・地中海通商に関する文献などを購入した。本研究では、黒海研究の拠点となる研究機関とのネットワーク作りも目的の一つであるが、9月にトルコで行った調査では、トラブゾンの黒海工科大学(Karadeniz Teknik Universitesi)附属の黒海研究所(Karadeniz Arastirma Enstitusu、通称KAREN)を訪問し、関係者にインタヴューを行った。これらの研究の結果、いくつか重要な問題が明らかとなったが、ロシアとハプスブルク帝国の他、新たにイギリスとフランスが黒海通商に参入することになった1800年前後の時期が、黒海地域をめぐる国際関係において一つの重要な転換点として浮かび上がって来た。そのためこの時期の西欧・ロシア・オスマン間の国際関係に大きな影響を与えたと考えられる、1802年にワラキア・モルドヴァ公宛てにオスマン皇帝から発布された勅令について、当時のオスマン帝国をめぐる国際関係の観点からその意義を考察する論文を執筆した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

先行研究文献の収集について、英、仏、独、露、トルコ、バルカン諸国などの各言語で書かれた多様な本や雑誌に当たって行う必要があり、その作業が予想以上に時間を要したため、それらの結果を踏まえて行うべき本格的な一次史料調査と収集が行えず、翌年度にまわさざるを得なくなった。

Strategy for Future Research Activity

先行研究の調査は今後も継続するが、ある程度の蓄積は出来たので、今後は刊行されていない文書史料を中心とする一次史料の収集とその分析に取りかかる。また、今後も黒海周辺地域の踏査を行い、近代黒海史研究者の所属する機関との関係構築を目指す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

ロシア側の資料収集を行う。国内では北海道大学にて、刊行された一次史料を中心にロシアの黒海進出に関する文献を収集する。また夏期にウクライナで、クリム・ハーン国のロシアによる併合やその後のロシアの黒海北岸支配について調査を行う。一次史料については、モスクワでのロシア側の史料収集の他、前年度実施予定で実行できなかったイスタンブルにおけるオスマン側史料の収集を行う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Book (1 results)

  • [Book] オスマン帝国史の諸相2012

    • Author(s)
      鈴木董
    • Total Pages
      148-171
    • Publisher
      山川出版社

URL: 

Published: 2013-07-10  

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