2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23520800
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀 裕 東北大学, 文学研究科, 准教授 (50310769)
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Keywords | 未来記 / 聖徳太子 / 宝誌 / 四天王寺縁起 / 叡福寺 |
Research Abstract |
東アジアの讖文の検討を踏まえつつ、讖文およびその出現主体でもある祖先霊の検討を行った。また、とくに聖徳太子讖(聖徳太子未来記)の解明に重点を置いた。 (1)一昨年度、途中まで翻訳していた祖先祭祀の論文(韓国語)の翻訳を継続し、新羅宗廟制の形成が、外交政策や唐礼受容と一体の現象であるとする研究成果を学んだ。 (2)桓武期の祖先祭祀における唐礼受容と、祥瑞・讖文の出現の関連について検討・報告した。 (3)伝宝誌撰「邪馬台詩」の初見史料ともいわれる『延暦寺護国縁起』掲載「邪馬台詩延暦九年注」の写本調査を実施した。延暦九年成立に確証は得られないが、文字の校訂に問題はなく、従来の研究で指摘される点に問題がないことを確認した。 (4)聖徳太子と宝誌はともに観音の化身とされるなど共通点が多く、宝誌の信仰は8世紀末には日本に伝わっていた。その点を踏まえ、両者の讖文を通時的に検討し、とくに11世紀に聖徳太子墓から出土した石製聖徳太子未来記と、宋代に皇帝から重視される宝誌讖の間に関係があることを明らかにした。あわせて論文としてしてまとめており、刊行が確定している。
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Research Products
(3 results)