2012 Fiscal Year Research-status Report
戦国期西国における武家の家格上昇に関する構造的研究
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23520817
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
川岡 勉 愛媛大学, 教育学部, 教授 (90186057)
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Keywords | 室町・戦国期守護 |
Research Abstract |
前年度に引き続いて既刊史料集からの史料検索・抽出作業を進め、室町・戦国期守護権力の研究に必要なデータを集積した。活字史料の検索・抽出と併行して、原史料・未活字史料を閲覧するために、東京大学史料編纂所・国会図書館・京都府立総合資料館などに史料調査に出向いた。東京大学史料編纂所では「佐々木文書」、国会図書館では「古簡雑纂」、京都府立総合資料館では「東寺百合文書」などの史料を閲覧し、必要史料については写真版からコピーを入手した。 以上の調査・研究をふまえて、「日本中世の権力秩序と情報伝達」(松原弘宣・水本邦彦編『日本史における情報伝達』創風社出版、2012年7月、p95-122)、「戦国期尼子氏の守護職獲得と室町幕府」(企画展『戦国大名 尼子氏の興亡』図録、2012年10月、p62・63)、『山城国一揆と戦国社会』(吉川弘文館、2012年12月、p1-222)、『山口県史 通史編 中世』(山口県、2013年1月、p375-434)などの著書・論文を発表した。 また、「山名宗全とその時代」(2012.8.4、鳥取県鳥取市)、「室町時代の京極氏と出雲支配」(2012.8.11、島根県松江市)、「京極氏による出雲支配の諸段階」(2012.8.12、島根県松江市)、「山城国一揆の歴史的意義について」(2012.9.15、大阪府豊中市)、「尼子氏の勢力拡大と中央政界」(2012.10.27、島根県出雲市)、「室町・戦国期守護の権力構造と発給文書」(2013.2.16 兵庫県西宮市)の口頭報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既刊の史料集から、戦国期権力の秩序と家格上昇に関連する文書・記録類を検索・抽出する作業は順調に進展し、必要な史料をかなり集積することができた。4月から9月まで、所属先のサバティカル制度を利用して東京大学史料編纂所の国内研究員に就任したことによって、原史料・未活字史料の史料調査についてもかなり成果を挙げることができた。以上のようにして集めた史料を整理・分析する中で考察を深め、その一部を4編の著書・論文と6件の口頭報告において公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに集めきれなかった史料について、継続して調査・収集に取り組むとともに、これまで集積したデータを整理・分析して、史料から導き出せる論点の整理を行い、研究の集約に努めていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
追加調査のための旅費と関連図書の購入費に充てるほか、研究成果を総括する印刷物の刊行をめざしたいと考えている。
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