2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23520838
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
谷口 眞子 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (70581833)
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Keywords | 恩赦 / 近世法 / 罪と罰 / 幕藩関係 / 裁判 / 先祖祭祀 |
Research Abstract |
本研究の目的は、江戸時代に幕府と藩が実施した恩赦について、その関連史料を収集・分析し、恩赦をめぐる幕府・藩・寺院の複層的・重層的関係と日本近世の法・裁判の特徴を考察するところにある。2013年度の成果は史料の収集・翻刻、ならびに研究発表、論文執筆に分けられる。 史料調査については、幕府・藩の恩赦に天皇家がどのように関係するのかを調べるための予備調査として、藤井譲治・吉岡眞之監修・解説『天皇皇族実録』1~135をチェックし、元和6(1620)年~慶応2(1866)年の250年弱の間にみられる天皇家の恩赦に関する記事を複写した。また平成24年度に史料調査した福井県立図書館所蔵「松平文庫」の史料のうち、「御咎之部並赦」「御触之部 上」を翻刻した。 学会報告は平成25年9月21日の日本法制史学会東京部会において「加賀藩における恩赦の時代的変遷」と題して行った。論文は2本、刊行することができた。「『法事の赦』の構造分析―岡山藩池田家を事例に―」『岡山地方史研究』第130号(2013.9)と、「加賀藩における恩赦の時代的変遷」『早稲田大学大学院文学研究科紀要』第59輯(2013年度)である。なお、2013年12月刊行の『赤穂浪士と吉良邸討入り』(吉川弘文館、2013年)で、討ち入った赤穂浪士の一人、千馬三郎兵衛の子の恩赦に関する部分は、岡山藩池田家の恩赦に関する史料調査の結果を反映させた。 現在、加賀藩において、増え続ける将軍家と前田家の先祖祭祀が、藩主の日常生活および裁判や刑罰執行に及ぼした影響を考察する論文を執筆している。
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Research Products
(4 results)