2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23520857
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
太田 敬子 北海道大学, 文学研究科, 教授 (40221824)
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Keywords | 異文化交流 / 地中海 / 十字軍 / 海運史 / 境界領域 |
Research Abstract |
平成25年度には、前年度作成した研究目的①(東地中海域の一体性を確保していた技術や資源の研究、特に海洋交通と海軍のための技術と資源、地理的情報などについて、キリスト教徒とムスリム双方の史料を包括的に収集・検討する)のデータベースを分析・検討し、論文作成の準備を行った。 研究目的②(東地中海の港湾都市史の研究)及び③(当該時期のクレタ島、キプロス島等の島嶼部の歴史の再構築)についてもデータベースの分析・検討を進めたが、その過程において、11~13世紀の東地中海域の国際関係にアルメニア人のネットワークが深く関わっていることが分かった。そのためさらなる情報収集と現地研究者との交流のため、2014年1月3日から12日にかけて、アルメニア共和国に調査出張し、研究の新たな方向性を確認すると共に人脈を気づくことができた。その成果は早稲田大学の研究会において口頭発表を予定している。 平成23年度と24年度に続いて、当初予定していたエジプト(カイロのアラビア語写本研究所、エジプト国立図書館、カイロアメリカ大学、アレクサンドリア図書館等)シリア(ダマスクスのアサド図書館,アレッポ大学図書館等)におけるアラビア語の史料収集とシリア沿岸部の港湾都市の史跡調査は本年度も政治情勢の混迷により実現することができなかった。従って、研究方針の変更を余儀なくされ、シリアでの調査を必要としない文献中心の研究を推進し、アルメニア人の動向という新たな方向性を見出した
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Research Products
(2 results)