2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23520863
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
真下 裕之 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (70303899)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 南アジア史 / イスラーム / ムスリム / ペルシア語 / 出版 |
Research Abstract |
18世紀末から19世紀までの間に南アジアで行われたペルシア語作品の出版物を網羅的に調査するための基礎作業として、コーパス作成の作業を進めた。この作業に必要な工具書、目録類を探索・入手した。また古典籍作品の同定に資するため、当該作品の公刊本数点を入手した。未公刊の古典籍については、欧州の研究機関等に所蔵される写本資料のマイクロフィルム数点を購入した。南アジア諸国の調査先ではマイクロフィルムの購入が難しいので、自ら資料を撮影するための機材を購入した。以上により、コーパスの作成を進展させた。 また研究代表者は所属先の措置によって、平成23年7月から同24年1月まで、ハイデラーバード(インド)、ムンバイ(同)、ロンドン(英国)、パリ(フランス)において在外研究を行ったが、その機会を利用して、上記滞在先の研究機関(サーラール・ジャング博物館、アーンドラ・プラデーシュ州古文書館、アーンドラ・プラデーシュ州立図書館、K. R. カマー東洋研究所、大英図書館、フランス国立図書館)に所蔵されている当該時期のペルシア語出版物について調査した。これにより、上記コーパス作成の基礎資料となった目録類から得られないいくつかの情報を補うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究実施計画においては、出版物のコーパス作成が計画達成の目安であった。その作業は完了してはいないが、かなりの程度まで進捗しているので、研究計画はおおむね順調に進展しているものと評価しうる。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね研究実施計画通りに推進する予定である。ただしハイデラーバード、ムンバイで23年度に行った調査により、南アジアの諸機関に所蔵されるペルシア語出版物の保存状態が当初の予想以上に劣悪であることが判明した。そのため、計画ではコルカタ、ムンバイでの調査を予定していたが、その調査先を変更することを検討しているところである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度に得られた結果を基にして、各々の出版物の内容に関する調査をさらに進展させる。また当該時代の南アジアにおけるアラビア語、ウルドゥー語の出版の状況を参照系として調査する。一方、出版者を取り巻く歴史的状況についても調査を進める。その際、とくに重要な出版者に調査の対象を限定する予定であり、コルカタやムンバイの出版者に関する資料を収集する予定である。一方ペルシア語出版物の調査をさらに継続して行い、出版者やその関係者に関わる資料を調査するため、海外の研究機関におもむく。
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