• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

清朝中期満洲地域社会の研究:旗人・民人間の社会関係

Research Project

Project/Area Number 23520866
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

荒武 達朗  徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (60314829)

Keywords中国東北地方 / 満洲地域 / 中国近代史
Research Abstract

周知の通り平成24年度に日中関係が険悪化したことにより、政治経済のみならず文化活動の交流もまた停滞を余儀なくされた。その余波を受け本研究においても、平成25年度に実施を計画しているフィールド調査に対して、協力機関並びに協力者より難色を示された。そこで平成24年度の研究は文献調査並びに情報収集に務めるとともに、平成25年度以降のフィールド調査不首尾の場合に備えた次善の策を講じた。
台湾の国家図書館並びに中央研究院等には大陸各地の文史資料が集積されている。ここでの調査を通じて碑文、伝承などの史料を集めることができた。フィールドにてオリジナルの史料を調査する必要は減じてはいないが、その欠を補う成果を上げつつある。族譜史料の有効性についても認識が深まり、満洲地域において旗人が重要な構成要素であることが改めて明らかになった。
さらに平成24年度の後半にはモンゴル関係の研究者、及び東北アジア史研究者との意見交換を重ねることができた。本研究テーマの旗人-民人という満洲地域の社会構成上のカテゴリーに加えて、満洲・モンゴル・漢民族というエスニックの区分にも着目し、これらをクロスさせる必要性を指摘された。それを踏まえて検討を加え、平成25年度以降の研究の対象とする地域を、遼寧省北西部から吉林省南西部、内モンゴル自治区にかけた地域へと限定することとした。遼寧省阜新県等が満蒙漢というエスニックの交わる地域であるとともに、旗人と民人という二つの社会が重層的な構造を形成している故である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度は、台湾の国家図書館と中央研究院での文献調査に重点をおいた研究を行った。文史資料などの郷土資料を積極的に収集し、加えて族譜史料の利用についても見通しを建てることが出来た。具体的に今後の考察の対象を遼寧省阜新県等の地域へと絞り込むことが出来た。
上述の通り当該年度には日中関係が険悪化した。そのあおりを受け平成25年度以降の現地調査が不可能となる可能性も否定できない。それに対する次善の策を講じることが出来た。その内容は「12.今後の研究の推進方策 等」に記す通りである。
以上の作業の進展、並びに今後の方針の確定を踏まえるならば、平成24年度の研究は「概ね順調に進展している」と評価することが出来る。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度にて複写を予定していた史料(東北地方文史関係資料)が、台湾の中央研究院にて無料にてダウンロード出来たため、その分の経費を平成25年度へと回すことが出来た。
中国東北地方でのフィールド調査については、引き続き協力機関並びに協力者と折衝を重ねる。ただし日中関係の行く末、北朝鮮情勢の緊迫、鳥インフルエンザの流行によっては断念せざるを得なくなるかもしれない。現状においては、図書館やアーカイブスの利用に問題はない。
1 フィールド調査実施の場合、遼寧省阜新県ならびに鉄嶺県を中心とする地域において、碑文、族譜史料の収集を行う。清代には柳条辺と呼ばれる境界線(万里の長城の簡易版)がおかれていることにも見えるように、この地域はエスニックグループの区分と旗人-民人の社会構成上カテゴリーの双方が交錯する地域として重要である。
2 フィールド調査延期もしくは中止の場合、平成24年度に引き続き、台湾の国家図書館と中央研究院での文史関係資料の調査を行う。加えて上海図書館の族譜資料の調査を実施し、文献中心の研究へとシフトさせていく。この場合であっても平成26年度以降にフィールド調査を行うことについては、引き続き協力機関と協力者との折衝を重ねていく予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度の繰越額は八旗関連書籍の購入に充当する予定である。
遼寧省阜新県調査に250千円を予定しているが、上述の通りこのフィールド調査が延期もしくは中止となった場合には、台北及び上海の調査へと振りかえることとする。その場合、台北調査に130千円、上海調査に120千円を配分する。
中国学術情報データベース(CNKI:China Naitonal Knowledge Infrastructure)の登録料として200千円を予定している。これにより文献複写の経費を節減することをもくろんでいる。
その他、満洲及び華北地域の関連図書を購入する。特に日本の各種機関および台湾では収蔵されていない各地方、県レベルでの刊行図書については、古書店等を通じて積極的に収集する。この経費として150千円を予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 十九世紀後期華北的社会動乱与大店荘氏2013

    • Author(s)
      荒武達朗
    • Organizer
      臨沂大学、中国農民戦争研究会
    • Place of Presentation
      臨沂大学(中国)
    • Year and Date
      20130517-20130520
    • Invited

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi