2013 Fiscal Year Research-status Report
現代中国の民族識別期における旗人の動向に関する研究
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23520870
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
ボルジギン ブレンサイン 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (00433235)
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Keywords | 現代中国 / 少数民族 / 旗人 / 民族識別 / 区域自治 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究は、中国の国家の基本をなしている56の民族の枠組みが如何に確定してきたかを、清朝時代の旗人集団の行方を追うことによって明らかにしようとするものである。1950年代の初期に、設立されて間もない中華人民共和国は民領内に居住する諸族集団の枠組みを決めるべく作業ー民族識別作業に着手した。その中で、多くの民族集団が果たしてどの枠組みに含まれるべきかがはっきりせず、56の民族として整理縮小する過程の中で多くの人為的な線引きが行われたと考えられる。清末の八旗に含まれていた人々はまさにその過程を研究する相応しい事例であろう。旗人たちは、清帝国の崩壊から中華人民共和国が形づくられる1950年代まで幾つかの民族の枠組みの間に揺れ動き、ある意味でいまだに定着してないという特徴を持つ。彼らの行動を追うことによって20世紀前半旗におけるこのような多民族国家の足跡を分析すできると考えられる。 25年度には中国の少数民族政策の最新の動向について、中国や日本で情報収集や研究交流活動を行った。また清末の旗人の動向についても資料収集を行ったうえ、中国現地の当事者及び研究者との交流をはかった。 また、これらの20世紀前半の東北満洲や内モンゴル地域の諸民族の動向を研究するための基礎的な史料の整理刊行にも力を入れている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今までの研究は、海外調査と史料収集、そして研究成果の発表等もおおむね順調に進んできたが、平成25年度に予定されていた科研最終年度における国際シンポジウムの開催が遅れたことが研究期間延長の大きいな原因としてあります。 国際シンポジウムの延長は中国において、研究者の海外出張が急に制限されたりなど、年度末ぎりぎりまでに調整がなかなかつかなかったといった客観的な要素もありあます。そういった諸事情を勘案して、終了年度をもう一年間延長して、平成26年度の下半期にシンポジウムを開き、この研究のとりまとめを行いたいと考えています。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の夏休みを利用して、中国やモンゴル国における海外補足調査を行いたい。その間にまた資料の補足調査も含めて海外における新しい研究動向についても把握したい。秋頃にかけて国際、国内学会発表も予定しており、それらの機会に海外の研究者との交流も活発に行い、26年度の後半の科研シンポジウムの開催につなげたいと考えております。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に予定していた国際シンポジウムの開催が諸般の事情により遅れたことによって研究年度を一年間延長するように申請した。 平成26年度は海外における補足調査を実施したうえで、科研シンポジウムを組織して研究のとりまとめをしたい。
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Research Products
(6 results)