2012 Fiscal Year Research-status Report
チェコスロヴァキアとハンガリー間の住民交換にみる国民的地域的再編と記憶の継承
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23520903
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山本 明代 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (70363950)
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Keywords | 強制移住 / 住民交換 / ハンガリー / チェコスロヴァキア / 第二次世界大戦 / ドイツ人の「追放」 / セーケイ / 記憶 |
Research Abstract |
2012年度は、前年度の資料収集の成果を踏まえて、国内外における本格的な資料収集と収集した資料の整理と分析、研究の中間報告的な口頭発表と論文執筆を行うことが目的だった。この計画を実施するために、9月にドイツとハンガリーにおいて調査を行った。ドイツでは、ドイツ人移民の家(ドイツ人移民センター)において、第二次世界大戦期の東欧のドイツ系住民のドイツへの強制移住と1989年以降に起こった民族ドイツ人の帰還に関して調査し、資料を収集した。ハンガリーでは、2012年春に行ったバラニャ県での聞き取り調査の内容を史料や文献によって検証するために、国立セーチェニ図書館・ハンガリー国立文書館等で第二次世界大戦期の追放と住民交換に関する文献や新聞記事の収集を行った。聞き取り調査で明らかになった実態のなかでも強制移住の経緯を中心に英語論文にまとめ、ハンガリーの大学が発行している電子雑誌に掲載した。そのほか、追放されたドイツ系住民、スロヴァキア南部からの住民交換による移住者、セーケイ人の移住という3者の移動と移住後の社会関係に関して、名古屋歴史科学研究会・歴史学入門講座(2012年5月)と地域研究コンソーシアム次世代ワークショップ(2013年1月)において口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2012年度の計画のうち、国内外における本格的な資料収集と収集した資料の整理と分析、研究の中間報告的な研究会報告と論文執筆を行うことについては、おおむね順調に進んでいる。この研究テーマに関する文書史料は膨大にあるため、引き続き、調査と資料集収集が必要である。また、住民交換のもう一つの当事国であるチェコとスロヴァキアでの調査について現地調査を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度の計画の中でも、強制移住と住民交換の決定に重要な影響を与えたイギリスなどの列強の動向やスロヴァキアとチェコにおける調査ができなかったため、予定していた旅費の一部を使用することができなかった。その分は2013年度の夏と春の調査で補う計画である。 今後、主として取り組む課題は、ドイツ系住民の強制移住とハンガリーとスロヴァキア間の住民交換、セーケイ人の移住の関連性と、戦後の住民間の関係性の変容過程の解明である。引き続き、ドナウ川以西地域に焦点をあてて、国立図書館・文書館、県文書館での史料収集と強制移住と住民交換の経験者へのインタビューを進める。収集した史料と文献、インタビューを分析し、邦語・英語論文を執筆する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年夏には、前年度に行うことができなかったチェコ、スロヴァキアの文書館、図書館への調査に加え、ハンガリーの文書館と図書館においても資料収集を行う。バラニャ県でのインタビュー調査も継続し深化させる。研究費のうち、旅費はこの海外調査のための旅費に使用する。そのほかにも、東京大学付属図書館や明治大学付属図書館など国内の資料調査にも旅費を使用する。最新の研究文献の購入のために設備備品費を使用する。
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Research Products
(6 results)