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2011 Fiscal Year Research-status Report

中世フランス都市家屋の構造・建築様式・分布に関する歴史考古学的研究

Research Project

Project/Area Number 23520910
Research InstitutionToyo University

Principal Investigator

堀越 宏一  東洋大学, 文学部, 教授 (20255194)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords中世ヨーロッパ / 都市 / 家屋
Research Abstract

3年間の研究全体の見通しを得るために、先行研究の収集に努めると同時に、フランス文化省編集の歴史的建造物関連のデータ・ベース(メリメ Mérimée)を利用することにより、各都市の中世家屋の個別情報を網羅的に調査・把握することを中心的作業とした。対象地方は、ブルゴーニュとサンチャゴ巡礼路の通るフランス南西部である。その結果、当該地域における中世家屋の残存状況について、50%程度の調査が出来た。 現地調査としては、平成23年度には、まず、ヨーロッパ全体のなかでの中世都市家屋の位置づけを確かなものとし、フランス中南部に残された都市家屋の理解に資するために、イングランドに数多く残されている中世都市家屋の現地調査を行った。その結果、ウェールズ、イングランドには、中世都市家屋が多く残されていることを改めて確認した。なかでも、Lincolnに残る12世紀のロマネスク様式の石造家屋2軒は、おそらくイングランド最古の都市家屋であるように判断された。これに対して、Yorkの市街のShambles通りには、いわゆるhalf-timber様式の都市家屋が密集しており、そのなかの3軒ほどには中世風の店台が残されていた。これも稀な事例。ChesterとSandwich市街でも、half-timber様式の中世都市家屋をとくに数多く観察することが出来た。 これらの中世都市家屋は、都市城壁と城との関係で配置されることが多い。このため、Conwy, York, Canterbury, Rochester などで、都市全体の空間配置の実例を見ることができた。また行程途中にある11~15世紀の中世城砦も、フランスなど大陸よりも残存例が多く、天守塔を中心とした城の発達過程を具体的に把握することが出来た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

歴史的建造物関連のデータ・ベース(メリメ Mérimée)を中心とした中世都市家屋に関する情報収集とウェールズとイングランドにおける中世都市家屋の現地調査については、予定通りの作業を進めることが出来た。 しかし、年度初めに、2012年2月ないし3月に、クリュニーとその所在地であるブルゴーニュ地方の諸都市(シュノーヴ、パレ=ル=モニアル、トゥルニュス、シャニィ、フラヴィニィ、ヴィトーなど)の中世家屋に関する現地調査を行うことを計画していたが、学務が予想外に忙しく、実現することがかなわなかった。

Strategy for Future Research Activity

3年間を通した基本的な研究方法として、先行研究を収集し、その整理と理解に努めることを前提として、(1)まず、フランス文化省編集の歴史的建造物関連のデータ・ベース(メリメ Mérimée)を利用することにより、各都市の中世家屋の個別情報を網羅的に調査・把握する。(2)そのうえで現地に残存する建物と博物館などを実地調査して、刊行されている発掘報告書や研究書、データ・ベースに記載されている建築的ないし考古学的情報の総合的理解を得る。(3)さらに、現地の県古文書館と図書館に所蔵されている古文書や絵図、地籍図などの図面を調査して、図像史料も含めた文献史料を調査・把握する。(4)これらの地域以外の地域(フランスの他の地方、イングランド、スペイン、イタリア)に残存する中世都市家屋の状況を調査・把握して、フランスに限定されていた情報の拡大を図ると同時に、比較史的な検討対象とする。 このような基本方針に変更点はない。これらの作業全体を通じて、ブルゴーニュ地方とフランス南西部に残されている「クリュニー型中世町家」の構造と機能の特徴、その歴史的変遷と地理的分布を解明することが可能となるであろう。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究第2年次である平成24年度には、前年度と同様の事前準備を継続的に行ったのちに、9月に、サンチャゴ巡礼路が展開するフランス南西部の諸都市(カオール、フィジャック、ペリグー、サン=アントナン=ノーブル=ヴァルなど)の中世家屋に関する現地調査(建物に関する現地調査と図書館・古文書館における調査)を行う。状況が許せば、できる限り、サンチャゴ巡礼路が部分的に展開していた南仏ラングドック地方の諸都市(アルル、モンプリエ、サン=ギレム、トゥールーズなど)とともに、2011年度に行えなかった、クリュニーとその所在地であるブルゴーニュ地方の諸都市(シュノーヴ、パレ=ル=モニアル、トゥルニュス、シャニィ、フラヴィニィ、ヴィトーなど)の中世家屋に関する現地調査を行う。 そのための準備作業として、歴史的建造物関連のデータ・ベース(メリメ Mérimée)を利用することにより、各都市の中世家屋の個別情報を網羅的に調査・把握することは言うまでもない。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 中世ヨーロッパにおける石造の城の誕生と展開2012

    • Author(s)
      堀越 宏一
    • Organizer
      REN研究会
    • Place of Presentation
      青山学院大学文学部(東京都)
    • Year and Date
      2012年1月21日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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