2013 Fiscal Year Annual Research Report
マザリナードと論争研究 ― 歴史社会学と文学社会学の境界領域研究
Project/Area Number |
23520911
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
野呂 康 岡山大学, 言語教育センター, 准教授 (70468817)
|
Keywords | 論争 / フロンド / マザリナード / ジャンセニスム / 歴史記述 / パンフレ / 国際研究者交流 / 国際情報交流 |
Research Abstract |
本研究は三年間の継続研究として企画され、本年度はその最終年度にあたる。申請時には、全体の研究計画として次の五段階を設定した。1.東京大学付属図書館所蔵マザリナード・コレクションの紹介と列挙、2.テーマ別分類表の作成、3.欠落文書の探索、4.比較検討、5.政治史、論争史、社会史等の研究者との意見交換と共同の研究会の組織。初年度には初期ジャンセニスム運動における文書を網羅した論争文書リストを作成していた。二年目には若干の方向修正をしたが、特に論争文書を中心に4.の比較検討を行い、5.の意見交換、研究会の組織を実現することで、概ね当初予定した進捗状況に達することができた。それらの成果を基に、フランスの大学及び研究機関にて3回の招聘講演を行った。最終年度では、研究の締めくくりとして予定していた海外研究者の招聘を実現し、論争および歴史記述に関する講演会及び国際シンポジウムを開催した。以下が、本年度の成果となる。 第一に、『アウグスチヌス』と『頻繁なる聖体拝領』をめぐる論争文書のリストを用い、パスカル研究会にて研究発表を行った。 第二に、社会科学高等研究院クリスチアン・ジュオー研究指導教官、同院ダイナ・リバール准教授、マルヌ・ラ・ヴァレ大学ニコラ・シャピラ准教授を招聘し、講演会(1回)、国際シンポジウム(2回)を開催した(当初、社会科学高等研究院のリヨン-カン准教授の招聘も予定していたが、先方の都合で急遽来日が取りやめとなった)。その後、パリ第三大学および社会科学高等研究院を訪れ、ゼミナールと研究会に参加し、意見交換をすることができた。年内に、共同論集の出版を予定している。 第三に、筆者、神戸大学中畑寛之准教授および嶋中博章(関西大学等で非常勤講師を担当)が中心となり、翻訳論集『GRIHL』を出版した。 第四に、歴史記述の方法論、出版制度に関して、招聘発表を含む計3回の研究発表をした。
|